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2021.10.24

サンデー早起キネマ『モーリタニアン 黒塗りの記録』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/24は、10/29に公開される三者三様の個性が光る3本をご紹介。

1本目は、アメリカ国家の闇と人権問題を描くドラマ
『モーリタニアン 黒塗りの記録』

原作は、異例尽くしの衝撃の手記。2015年アメリカで出版され大ベストセラーになりました。
なんとその手記は、アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされ、しかも、筆者はその時グアンタナモ米軍基地に収容されていたのです。
キューバにあるグアンタナモ米軍基地、その中に作られた収容所には、9.11同時多発テロ以降、アルカイダ幹部やテロリスト、少なくとも15人の子供を含む約780人が南西アジアや中東、アフリカから連行され、司法手続きなしに厳しい尋問や拷問、長期拘禁を強いられ、国際社会から非難が相次いでいるのですが、いまだに閉鎖されていません。

さて、物語は2005年です。人権派弁護士のナンシー・ホランダーは無償奉仕活動として、グアンタナモ米軍基地に拘束された男性モハメドゥ・スラヒの弁護を買って出ます。
彼はアメリカ同時多発テロ事件の首謀者の一人として、西アフリカのモーリタニアから連行され、地獄のような投獄生活を何年も送っていましたが、裁判は一度も開かれていません。
ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴えます。
時を同じくして、政府から「モハメドゥを死刑判決に処せ」との命が下り、同時多発テロで親友を亡くした軍の弁護士スチュアート中佐が、起訴を担当することに。
真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まります。
モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。
ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、百戦錬磨のナンシーさえ愕然とする供述が記されていたのです……。

ナンシー役は名女優ジョディ・フォスター。正義感と心ある見事な弁護士を演じ、今年度のゴールデングローブ賞で最優秀助演女優賞を受賞しました。
スチュアート中尉を演じたのはベネディクト・カンバーバッチ。また渋くて本当に素敵な役どころです。
そして、モハメドゥ役はタハール・ラヒム。この作品の一番の魅力は、モハメドゥの人柄なのですが、過酷な環境やどんなに酷い拷問をされても他者を許す心を持つモハメドゥの人間としての威厳を見事に全身で表現、涙を誘います。そして、ユーモアがあってとってもチャーミングな人柄も完璧でした。

何も非がないのに突然拘束され、拷問にかけられる恐ろしい世界…それでも、人を思いやり、許す心を持つモハメドゥの姿は、この世の中に平和をもたらす道標になると思うのです。
9.11同時多発テロの首謀者の一人として拘禁された無実の男と弁護士が戦う相手はアメリカ合衆国。
激しい対決の果てに現れた驚愕の真実とは?

『モーリタニアン 黒塗りの記録』

10月 29 日 (金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

公式サイト:映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』公式サイト (kuronuri-movie.com)

監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ジョディ・フォスター ベネディクト・カンバ―バッチ タハール・ラヒム シャイリーン・ウッドリー ザッカリー・リーヴァイ
原作:モハメドゥ・ウルド・スラヒ『グアンタナモ収容所 地獄からの手記』(河出書房新社刊)
2021年/アメリカ/英語/129分/ドルビーデジタル/カラー/スコープ/原題:THE MAURITANIAN/G/字幕翻訳:櫻田美樹 
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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