ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.10.10

サンデー早起キネマ『ONODA 一万夜を越えて』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/10は、誰もがご存知の実在の人物を描いた作品を2本ご紹介。

   

1本目は、1974年、およそ30年間潜伏していたフィリピンのルバング島から帰還した小野田寛郎さん。
当時は「日本最後の兵士」と報道され、このニュースが社会現象にもなりました。
ご紹介するのは、終戦を知らされないままおよそ30年間、壮絶で孤独な日々と闘った一人の男の人間ドラマ
『ONODA 一万夜を越えて』

終戦間近の1944年、陸軍中野学校二俣分校で秘密戦の特殊訓練を受けていた小野田寛郎に、「劣勢のフィリピン・ルバング島でゲリラ戦を指揮せよ」という命令が下ります。「君たちには死ぬ権利はない」、出発前、谷口教官から言い渡された最重要任務は、何が起きても必ず生き延びること、玉砕は許されませんでした。
彼を待ち構えていたのは、ルバング島の過酷なジャングル。暑さと激しい天気、食べ物もろくになく、仲間たちは飢えや病気で次々と倒れていきます。
それでも小野田は生きるために、あらゆる手段で飢えと闘い、雨風を凌ぎ、仲間を鼓舞し続けます。必ず援軍が来ると信じて。しかし、次々と仲間が帰らぬ人となり、ついに小野田は一人きりに……。
そして、見えない敵と戦い続けて一万夜を迎える頃、旅行者と名乗る青年・鈴木がジャングルにやってきます!

みんなを励ます若き日の小野田を演じたのは、精悍な遠藤雄弥さん。
そして月日を重ね1人になってからの小野田役は、淡々とした演技に心打たれる津田寛治さん。
この2人の連携が素晴らしく、全く違和感がありません。
小野田にルバング島行きの命令を下す教官・谷口役はイッセー尾形さん、重要な役どころです。
旅行者・鈴木役には仲野大賀さん、他にも、井之脇海さん、嶋田久作さんなどが脇を固めています。
監督と脚本は、なんとフランス人のアルチュール・アラリ氏。
父親から聞いた小野田さんの話に運命的なものを感じ、作品作りに取り掛かったそうです。

最初の展開は早いのですが、小野田さんが1人になった後、じっくり時間が流れていきます。
作品はおよそ3時間、長いとは感じません。いえ、小野田さんがジャングルで1人過ごしてきた一万夜を私たちが実感するためには、この長さが必要なのです。
作品の中で小野田さんは、潜伏中いろんなことに出会い、軍人として冷酷な行為もしてきました。それは、いかに小野田さんが真面目に盲目的に任務を遂行したかということでもあります。
小野田さんの孤独と壮絶な日々を目の当たりにし、最後のシーンには呆然とし静かな涙が流れました。
彼は何を信じ、何と戦い、そしてどう生き抜いたのか…スクリーンで確かめて下さい!

『ONODA 一万夜を越えて』

2021年10月8日(金)全国公開

公式サイト:https://onoda-movie.com/#

出演:遠藤雄弥 津田寛治
仲野太賀 松浦祐也 千葉哲也 カトウシンスケ 井之脇海 足立智充 吉岡睦雄 伊島空 森岡龍 諏訪敦彦
嶋田久作 イッセー尾形
監督:アルチュール・アラリ
脚本:アルチュール・アラリ
プロデューサー:ニコラ・アントメ
撮影監督:トム・アラリ
編集:ローラン・セネシャル
美術:ブリジット・ブラサール
衣装:カトリーヌ・マルシャン、パトリシア・サイーヴ
サウンド:イヴァン・デュマ、アンドレアス・イルドブラント、アレク・”ビュニク”・グース
制作:bathysphere productions
配給:エレファントハウス
 ©bathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐ Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinéma
174分/フランス、日本、ドイツ、ベルギー、イタリア/ 2021 / 1.85 / 5.1ch

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~