ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.09.08

サンデー早起キネマ・番外編『大地と白い雲』

毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
今回は番外編。オンエアとは別に、是非ご覧頂きたい作品を取り上げます。

モンゴルの美しい青い空と白い雲の下、愛ゆえにすれ違う夫婦の喪失と再生の物語
『大地と白い雲』

内モンゴルに広がるフルンボイル草原で暮らす一組の夫婦。
夫のチョクトは都会での生活を望んでいますが、妻のサロールは今の暮らしに満足しています。ここではないどこかへ思いを巡らせ、突然ふらりといなくなるチョクトに腹を立てながらも、愛するがゆえに許してしまうサロール。
しかし、時代と共に自由なはずの草原の暮らしにも少しずつ変化が訪れ、徐々に2人の気持ちはすれ違い始めます。
そしてある冬の夜、2人は大きな喪失を経験。
その日を境に、サロールと草原で生きる覚悟を決めたチョクトでしたが…。

この作品の一番の魅力は、内モンゴルの眩しいほど美しい風景です。
どこまでも続く緑の大地、真っ青な空を流れる白い雲。羊は群れをなし、馬が草原を駆け抜けていく…。
その大いなる自然の中、季節と共に住む場所を変え、家畜を放牧してきたモンゴルの人々の暮らしは、近代化と共に変わりました。固定された家に住み、草原も柵で仕切られています。もちろん携帯電話も車もあります。草原から足を延ばせば賑やかな街。お酒を飲んでカラオケを楽しみます。
そんな時代に合わせて都会に出たい夫と、自然の中で昔ながらの暮らしを続けたい妻。2人はお互いが大好きで大切にしたいのに、自分の思いも変えられないのです。
自然が美しければ美しいほど2人のジレンマが胸に迫ってきます。

変わらない自然と止められない時代の流れ、そしてちっぽけな2人の深い想い。
どの国の人々も体験してきたことなのでしょう。小さな変化は今の日本でも起きています。だから私たちは2人の揺れる想いを理解することができ、2人の選択を応援したくなるのです。

コロナ禍で閉塞感真っ只中の今だからこそ、心に爽やかな風が吹き抜けていくようなモンゴルの景色をご堪能下さい。

『大地と白い雲』

8 月 21 日(土)岩波ホール他全国順次ロードショー!

公式サイト:映画『大地と白い雲』公式サイト (hark3.com)

監督:ワン・ルイ(王瑞)
脚本:チェン・ピン(陈枰)
原作:「羊飼いの女」漠月
出演:ジリムトゥ、タナ、ゲリルナスン、イリチ、チナリトゥ、ハスチチゲ
2019年/中国映画/中国語・モンゴル語/111分/原題:白云之下
字幕:樋口裕子/字幕監修:山越康裕
配給:ハーク 配給協力:EACH TIME
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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