おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/15は、主役の2人がとっても愛おしい、個性的な作品を3本ご紹介。
1本目は、日本では劇場初公開されるモロッコの作品
『モロッコ、彼女たちの朝』

モロッコといえばどんな印象をお持ちですか?
アフリカ大陸の北西の端、北大西洋と地中海に面しサハラ砂漠があり、最大都市はカサブランカ。
国民の99%がイスラム教徒。2004年に“新家族法”が成立。
女性が結婚できる年齢が18歳以上に引き上げられ、一夫多妻制にも厳しい基準が設けられたり、女性が離婚請求もできるようになるなど、女性の立場が向上しています。
とはいえ、女性にとっては、制限も多く、人々の固定観念もまだまだ厳しい状況にあるモロッコ。

主人公は、世間からとんでもないとタブー視されている未婚の母・サミア。
仕事も住まいもすべてを失いましたが、もちろん、故郷の両親にも内緒で頼ることもできません。臨月のお腹を抱え、仕事と寝る場所を求めてカサブランカの路地をさまよっていました。
サミアを見かねて家に招き入れてくれたのが、もう一人の主人公・パン屋を営む未亡人のアブラ。
アブラは夫の死後、娘のワルダとの生活のために、心を閉ざし、女を捨てて働き続けてきました。そんな2人の前に、伝統的なパン作りが得意でおしゃれ好きなサミアが現れ、孤独だった母娘に光をもたらしていくのです。
しかし一方で、サミアは子供を産んだら養子に出し実家に戻ると決めています。
3人の生活がうまく回り始めた頃のお祭りの日、サミアの陣痛が始まります…。

最初は笑うこともなく頑なだったアブラが、サミアと関わることでどんどん変わっていく様子が素晴らしかったです。なぜアブラが心を閉ざしてしまったのかも明かされます。
一方で、産んだ子供を手放さなければならないサミアの心情を思うと胸が痛くなります。

描かれているのは、ほとんどアブラの住まいとお店。パン作りに励む彼女たちの美しい姿を包み込むモロッコの優しい光と影がまるで絵画を見ているように美しい映像でした。
時々出てくるカサブランカの街角の様子や、おいしそうなパンの数々も見どころです。
女性であることを忘れた母アブラと母になることを拒否するサミア、2人の母性が通じ合った時、暗闇に光が差し込みます。
彼女たちの人生に幸あれと強く願わずにはいられません。

『モロッコ、彼女たちの朝』
8月13日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
公式サイト:https://longride.jp/morocco-asa/
監督・脚本:マリヤム・トゥザニ(長編初監督)
出演:ルブナ・アザバル『灼熱の魂』『テルアビブ・オン・ファイア』
ニスリン・エラディ
製作・共同脚本:ナビール・アユーシュ『アリ・ザウア』
2019年/モロッコ、フランス、ベルギー/アラビア語/101分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/英題:ADAM/日本語字幕:原田りえ
提供:ニューセレクト、ロングライド 配給:ロングライド
©Ali n’ Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

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