ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.07.18

サンデー早起キネマ『少年の君』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
7/18は、不条理と闘わざるを得ない2人を描いた作品を3本ご紹介しました。

2本目は中国の社会問題を描いた
『少年の君』

進学校に通う成績優秀な高3の女の子チェン・ニェンは、全国統一大学入試を控え殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め、卒業までの日々をやり過ごしていました。
ある日、同級生の女子がクラスメイトのいじめを苦に、学校で飛び降り自殺をしてしまいます。
その少女の死体をスマホで撮りまくる生徒たちの異様な光景に耐えきれず、チェン・ニェンは、自分の上着を遺体にそっとかけてあげます。しかし、それが原因で、今度はチェン・ニェンがいじめの対象になってしまうのです。
いじめが日増しに激しくなる中、彼女は下校途中、集団暴行を受けている少年シャオベイを目撃、咄嗟の判断で彼を助けてあげます。
辛く孤独な日々を送る優等生の少女とストリートで生きるしかなかった不良少年との出会い。
孤独な二つの魂は、いつしか互いに惹かれあっていくのですが…ある事件が起きてしまうのです!

チェン・ニェンを演じたのは、「13億人の妹」が愛称の人気女優チョウ・ドンユイ。
シャオベイ役は、トップアイドル・ボーイズグループTFBOYSのイー・ヤンチェンシー。
監督は、香港で俳優としても活躍していたデレク・ツァン。お父さんは『インファイナル・アフェア』の名優エリック・ツァンです。
本国で大ヒットしたこの作品、青春映画のジャンルでは歴代1位を記録しました。
さらに、香港のアカデミー賞と言われる香港電影金像奨では、作品賞・監督賞・主演女優賞など8冠を達成。世界でも絶賛されています。

壮絶ないじめ、苛烈な受験戦争、ストリートチルドレン…中国の過酷な社会問題が如実に描かれていますが、社会の歪みがいじめに向かわせるのは、中国だけではありません。
みていると、正直、辛い部分もあります。でも、純粋に心を通い合わせる少年と少女が、透明感があって、愛おしいほど可愛くて、そして、とても悲しく、優しいんです。
そして、そうさせてしまった社会を作っているのは大人の私たちなんですよね。
そのことを痛感させられます。どの世界でも弱い者が割りを食う…これでいいのでしょうか?

ただ明日を信じて生きる孤独な少女と、今日を生き抜くことで精一杯の不良少年。
孤独な魂が惹かれあった先にあるのは、美しい奇跡か、残酷な現実か…

『少年の君』

7月16日(金)より新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマほか全国公開

公式サイト:https://klockworx-asia.com/betterdays/

監督:デレク・ツァン(曾國祥) 
脚本:ラム・ウィンサム(林詠琛)、リー・ユアン(李媛)、シュー・イーメン(許伊萌) 
撮影:ユー・ジンピン(余靜萍)
出演:チョウ・ドンユイ(周冬雨)、イー・ヤンチェンシー(易烊千璽)、イン・ファン(尹昉)、ホァン・ジュエ(黃覺)、ウー・ユエ(吳越)、チョウ・イエ(周也)
2019年/中国・香港/中国語/135 分/字幕翻訳:島根磯美/原題:少年的你/英題:BETTER DAYS
提供:クロックワークス、楽天TV/配給:クロックワークス 協力:大阪アジアン映画祭
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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