ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.07.11

サンデー早起キネマ『サムジンカンパニー1995』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
7/11は、片隅の小さな存在が大きな人生の意義を教えてくれる作品を2本ご紹介しました。

1本目は韓国の作品。
実話をベースにした愉快爽快痛快の大逆転ストーリー
『サムジンカンパニー1995』

時は1995年、金泳三大統領によってグローバル元年と位置付けられた韓国。
主人公は、ソウルの大企業サムジン電子に勤める高卒同期入社8年目の女子社員3人。生産管理3部のジャヨン、マーケティング部のユナ、そして、会計部のボラム。
制服組の彼女たちは、どんなに能力があっても、お茶くみ・書類整理など大卒社員のサポートや、タバコを買いに行ったり靴磨きなどの使いはしり…そんな仕事ばかりでした。
しかし、「高卒女子社員がTOEICで600点を超えたら“代理”に昇格」と社内で発表されると、女性社員たちは、ステップアップを夢見て、こぞって英語教室に通い始めます。

そんなある日、ジャヨンは自社工場に行った帰り、工業用の排水が川に流れ出しているのを目撃!会社の調査の結果、化学物質のフェノールが“ほんの少し”流出したことが判明。地域住民に影響はないと、和解金を支払うことで収拾したかに見えました…が!
「なんか、おかしい…。」と3人が調べてみると、その報告書が偽造だったことが判明します。
愛社精神はあるけれど、「こんな会社に未来を託したくない!」
地域住民の命と健康のために真相を明らかにし、内部告発をしようと決意します。
さあ、女子社員たちは真相を解明して社内の黒幕を暴き、正義を貫き会社を守ることができるのでしょうか?

この作品は、1991年に起きた斗山電子のフェノール流出による水質汚染事件や、その頃、高卒社員のためにTOEICクラスを開設した大企業があったという事実をヒントに作られました。さらに、ジャヨンのモデルになった女性もいるそうです。今や、世界にも進出し韓国ではどこにでもある大きなパンチェーン店・パリバケットのお偉方です。
つまり、この作品は韓国の当時の社会環境を描いているわけです。
とはいっても、環境汚染や企業の隠蔽、男尊女卑に学歴格差…どこの国にもあった(今もある)ことですよね。

いくら好きで大切な会社でも、間違ったことを見逃すわけにはいかない!
女子社員をバカにするな!ひとりひとりは小さな存在でも、力を合わせたら大きなことが成し遂げられる!
正義のために頑張る女子社員たちのバイタリティーに、観ているこちらもぐんぐん元気が湧いてきます。
久しぶりの“勧善懲悪”に気分爽快。1990年代末に放送が始まった日本のドラマ「ショムニ」を思い出しました。

女子社員たちが協力する姿ワクワクし、愛する会社と地域の人々を守ろうとする正義感に胸が熱くなり、本当の黒幕は誰なのかドキドキハラハラのストーリーにもグイグイ引き込まれます。
ノスタルジックな衣装や小道具・セットにも是非ご注目ください。

『サムジンカンパニー1995』

7月9日(金)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー

公式サイト:samjincompany1995.com

脚色/監督 イ・ジョンピル
出演:コ・アソン、イ・ソム、パク・ヘス、デヴィッド・マクイニス、キム・ウォネ、チョ・ヒョンチョル、ぺ・へソン、キム・ジョンス、ペク・ヒョンジン、パク・クニョン、イ・ソンオク、イ・ボンリョン、タイラー・ラッシュ
脚本:ホン・スヨン ソンミ
2020年/韓国/カラー/110分
原題:삼진그룹 영어토익반 (SAMJIN COMPANY ENGLISH CLASS)
レイティング:G
配給:ツイン
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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