ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.05.17

サンデー早起キネマ『海辺の家族たち』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
5/16は、心に深い傷を負っても、何歳になっても、人は再生できる…希望が心に沁みる物語を2本ご紹介しました。

1本目は、過去にとらわれて絆を見失い、明日への一歩が踏み出せないフランスの家族の物語
『海辺の家族たち』

舞台は、マルセイユ近郊、空と海が一望できるとても美しい入り江の町。
かつては別荘地として賑わいましたが、今ではすっかり寂れ、美しい風景に波の音だけが響いています。
ある日、パリで活躍する人気女優のアンジェルが20年ぶりに街に帰って来ます。
迎えてくれたのは、家業の小さなレストランを継いだ上の兄のアルマンと、最近リストラされて若い婚約者にも捨てられそうな下の兄のジョゼフ。
兄妹3人が集まったのは、突然、父親が倒れたからです。
意識はあるもののコミュニケーションが取れなくなった父と家族の思い出の詰まった海辺の家をどうするのか、話し合うべきことはたくさんあります。
しかし、3人が集まったことで、それぞれが胸に秘めた過去が、ひとつひとつ明らかになっていきます。
そして、昔なじみの町の人々をも巻き込んで、家族の絆が崩れそうになったその時、兄妹は、入り江に漂着した3人の難民の子供たちを発見するのです……。

 

監督は、労働者階級や移民など、社会的立場が弱い人々を温かい眼差しで描き、〈フランスのケン・ローチ〉と称えられるロベール・ゲディギャン氏。
彼は「“グローバリゼーション”には、必然的に未来とつながる何かがある。大げさな言い方になるが、今日、難民について語らずに映画を作ることはできない」と言います。さらに、それが平和を保つことに繋がるとも。

過去を忘れるために故郷を後にしたアンジェラをはじめ、家族はそれぞれ胸に大きな傷を抱えています。
しかし、彼らが〈人生を変える新しい出会い=難民の子供たち〉を受け入れたことで、再び未来が輝き始めるのです。
彼らはどんな選択をしようとするのか?それはどのような希望をもたらすのか?
あなたの目で確かめてみて下さい。
美しい入江の景色と波の音にも心が洗われるようです。
こんな時代だからこそ、人と人の繋がりが何よりも大切だと、忘れられないラストシーンがそう教えてくれます。

『海辺の家族たち』

5月14日(金) キノシネマほか全国順次公開

公式サイト:5.14 Fri.公開 映画『海辺の家族たち』公式サイト (kinocinema.jp)

監督・脚本:ロベール・ゲディギャン
出演:アリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジェラール・メイラン、ジャック・ブーデ、アナイス・ドゥムースティエ、ロバンソン・ステヴナン
2016年|フランス|フランス語|カラー|ビスタ|DCP|5.1ch|107分|原題:La Villa|英題:The House by the Sea|字幕翻訳:宮坂愛   
提供:木下グループ 配給:キノシネマ レーティング:G
© AGAT FILMS & CIE – France 3 CINEMA – 2016

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • 週刊 なるほど!ニッポン
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~