ニッポン放送・山内宏明アナ「報道陣、中継スタッフとしても日本の金メダルを実況しようとしていましたね」アテネ五輪野球日本代表、オールプロで挑むも…

ニッポン放送・山内宏明アナウンサー
◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルームのテーマは“今まで一番熱かった試合”
「金メダルが獲れなかったら、ファンの熱気が一気に冷めてしまうのではないかと危機感を覚えました」。
ニッポン放送・山内宏明アナウンサーが今まで一番熱かった試合に挙げたのは、2004年アテネ五輪の野球日本代表が準決勝・オーストラリア戦だ。
アテネ五輪の野球日本代表は、五輪では初めてオールプロ野球選手で挑んだ大会。山内アナは「今でも覚えているのは“野球王国キューバを日本の野球がオリンピックで初めてキューバを下しました”歴史的な勝利もあったし、勢いよく金メダルまで行けるのではないか」と予選のキューバ戦、五輪で初めて勝利した瞬間を実況。野球日本代表は、強敵・キューバに勝利するなど、予選を6勝1敗で準決勝に駒を進めた。
準決勝の対戦相手は野球日本代表が予選で唯一敗れたオーストラリア。山内アナは「あの大会、アテネ五輪は金メダルを獲るというのが至上命令でした。というのも、前回シドニー五輪では初めてプロが参加した五輪の野球競技でメダルが獲れなかった。アテネはメダルはもちろん、日本の野球が世界一であることを証明しなければいけない。そのためにもオールプロで臨んで世界に日本の野球の強さを見せつけると。長嶋茂雄監督が日本代表の監督に就任し、日本プロ野球界が全面的にバックアップした大会でした。我々報道陣、中継スタッフとしても日本の金メダルを実況しようとしていましたね」と当時を振り返る。
山内アナは準決勝のオーストラリア戦、現場にはいたが実況ではなく、「その日はプログラムディレクター(PD)でしたね」と放送センターとの連絡役、中継の運行業務を務めた。
「日本の野球が根付いて70年。日本の70年とオーストラリアの数十年は比べ物にならない。真の世界一になることを信じて疑わなかったんですよ。試合中、この試合を落とすことで日本は70年間積み上げたものが一瞬にして崩れ落ちてしまうと。全てを失ってしまうくらい、日本の野球はまた一から新たに作り直して築き上げていかなければいけないくらい日本野球の後退というか、今までやってきたことが否定されるくらいの敗戦になってしまうんじゃないか、どこかで逆転するんじゃないか。中継スタッフとしても焦っているというか、結果的にオクスクリングとジェフ・ウィリアムスに抑え込まれ、0-1で敗戦しました」。
「オールプロで行ったということにこのチームの意義があるわけじゃないですか、日本の野球が世界一であることを証明しなければいけない大会だった。日本の野球が終わるんじゃないか、帰ったら日本の野球にファンの方が、全く興味をもたなくなってしまうんじゃないかと。あの試合は日本の野球が全て否定されてしまうんじゃないか、今までやってきたことが間違っていたんじゃないか。さらに帰ったら金メダルが獲れなかったことによって日本のプロ野球ファンがプロ野球の興味を失ってしまうのではないか、それくらい危機感を持って隣のアナウンサーも実況していましたね」。
カナダとの3位決定戦に勝利し銅メダルを獲得したが、金メダル獲得とはならなかった。17年後の2021年――。東京五輪で悲願の金メダルを獲得した。決勝戦を実況した山内アナは「あの時は“長嶋監督、星野監督も成し得なかった、日本の侍ジャパンが今ここで悲願の金メダルを達成しようとしています”という実況をした記憶がありますね」と当時を懐かしむように話した。
2004年のアテネと同じくらい、2025年のプロ野球も熱い戦いが連日繰り広げられている。リーグ優勝、CS争いが激化する中で、山内アナは「山形で灼熱の中実況したんですけど、場所はスタンド上段の仮設のスタンド。あの時の気温34.4度。あの暑さに負けない実況をどんな球場でも展開します」と誓った。
(ニッポン放送ショウアップナイター)
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