#26 鈴木誠也(広島)2試合連続サヨナラホームラン

◎2016年6月18日 マツダスタジアム
オリックス 0 0 0 0 0 0 2 0 1 =3
広島 0 0 0 0 1 0 0 0 3X =4
HR(広島)鈴木9号
「9回の裏。1アウト・ランナー三塁・一塁。クローザーの平野、足が上がって4球目、投げた。打ちました! 打ち返した! いい当たりだ! 左中間に上がっている! レフトバックする!どうだ? 行くのか? 入るかー!? なんと、鈴木誠也、またやってくれました! 1人入る。もう1人還って来る。鈴木も戻って来る。全員お出迎え! ホームイン!またやりました、逆転の3ラン! 水しぶきが飛ぶ中、笑顔も飛び交います。鈴木誠也、連日のサヨナラホームラン!」
ちょうど10年前の2016年、広島カープ・緒方孝市監督が口にした「神ってる」という言葉が「新語・流行語大賞」を受賞。この年ブレイクした彼は、それほど神懸かっていた。当時、カープ入団4年目、現在はシカゴ・カブスで活躍する鈴木誠也だ。
東京・荒川区出身で、二松學舍大学附属高校から2012年、ドラフト2位で広島に入団した鈴木。高校時代は投手だったが、打力と走力を買った広島は内野手として指名した。背番号は鈴木の希望で、憧れの選手・イチローと同じ「51」。イチローも本名は同姓の「鈴木」(一朗)だ。またカープの「51」は、前田智徳が入団時につけていた番号でもある。くしくも鈴木の1年目・2013年は、前田が現役を引退した年。まさに“後継者”だ。
ところで、鈴木が入団したときの広島は、1991年以来20年以上もリーグ優勝から遠ざかり、1998年から長らくBクラスが続く低迷期にあった。鈴木の1年目・2013年は野村謙二郎監督のもと3位となり、16年ぶりにAクラスに復帰。翌2014年も3位となり、2015年は緒方新監督が就任して4位。2016年は、2年目の緒方監督にとって「Aクラス復帰+25年ぶりのリーグ優勝」が至上命題だった。
この年、カープ躍進の原動力になったのが、4年目の鈴木である。前年の2015年、内野手から外野手に転向した鈴木は97試合に出場し、打率.275、本塁打5、打点25とレギュラー獲りに向けて前進。9月には3試合連続タイムリーを放つなど存在感を示していた。
2016年、鈴木は春季キャンプ中に右足ハムストリングを痛め出遅れたが、4月後半から「6番・右翼」で先発出場。勝負強さを買われて6月上旬のセ・パ交流戦中、5番に昇格した。そして鈴木に絶好の見せ場がやって来る。6月17日からマツダスタジアムで行われたオリックスとの3連戦だ。この年の交流戦最後のカードであり、広島は前カードの西武戦で3連勝していた。さらに連勝を伸ばし、リーグ戦再開に向け勢いをつけたいところだ。
17日の第1戦は、広島が9回裏、土壇場で2点差を追いつき、試合は延長戦に。12回裏、無死二塁の場面で鈴木に打席が回って来た。鈴木は比嘉幹貴から左翼スタンド上段に8号2ランを叩き込み、これがプロ初のサヨナラ弾となった。実は9回裏にもサヨナラのチャンスで打席が回ってきたのだが、そのときはオリックスのリリーフエース・平野佳寿の前に力んで凡退。その悔しさが劇的な一発につながった。
明けて18日の第2戦。この日も広島は9回裏、1-3と2点のビハインドを抱えていた。しかし広島打線は1死一・三塁のチャンスを作ると、打席には鈴木。前日対戦した平野の甘く入ったフォークをとらえると、打球はグングン伸び、左中間スタンドへ飛び込む逆転の9号3ランに! 2日連続の劇的なサヨナラ弾となった。
前夜に続いて、お立ち台で「最高でーす!」を連発した鈴木。実はフォームを“修正”していた。それまで足を上げて打っていたが、「きのう対戦したとき、平野さんはクイックモーションが速いので、足を上げていたら対応できなかった。だからきょうはノーステップで打ちました」。この臨機応変ぶりが、プロ野球史上10人目となる「2試合連続サヨナラ弾」の偉業につながった。そしてこのとき、緒方監督が口にした「誠也がまたデカい仕事をしてくれた。今どきの言葉で言うなら“神ってる”よな」はやがて流行語になっていくのである。
翌19日の第3戦でも8回に決勝10号アーチを放ち、3戦連続でお立ち台に立った鈴木。これで波に乗った広島は、この年25年ぶりのリーグ制覇を果たした。鈴木は広島に2021年まで9シーズン在籍し、主砲として2016~18年のリーグ3連覇にも貢献。2019年・2021年と2度首位打者に輝いた。現在、メジャーに活躍の場を移した鈴木の原点は、このオリックス3連戦の“神ってる”3発にあった。
<チャッピー加藤>
ショウアップナイタートピックス
-
60本のホームラン#26 鈴木誠也(広島)2試合連続サヨナラホームラン
◎2016年6月18日 マツダスタジアム オリックス 0 0 0 0 0 0 2 0 1 =3 広島 0 0 0 0 1 0 0 0 3...
-
60本のホームラン#25 加治前竜一(巨人)史上初 プロ初打席・初安打・初サヨナラ弾
◎2008年6月6日 東京ドーム ロッテ 0 0 3 0 0 0 0 0 0 =3 巨人 0 0 0 1 1 1 0 0 1X =4 HR...
-
60本のホームラン#24 末次利光(巨人)伝統の一戦で逆転満塁サヨナラホームラン
◎1976年6月8日 後楽園球場 阪神 1 0 0 0 0 1 0 0 0 =2 巨人 0 0 0 0 0 0 0 0 4X =4 HR(巨...
-
60本のホームラン#23 F・セギノール(日本ハム)通算7度目の左右両打席ホームラン
◎2007年6月19日 広島市民球場 日本ハム 1 0 2 0 0 2 4 1 0 = 10 広島 2 0 1 0 0 0 0 0 3 ...
-
60本のホームラン#22 彦野利勝(中日) 史上初 サヨナラホームランに代走
◎1991年6月18日 ナゴヤ球場 大洋 0 0 0 0 0 2 4 0 0 0 = 6 中日 0 0 0 1 0 1 1 1 2 1X ...







