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サンデー早起キネマ『Red』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

今回は、衝撃の恋愛映画『Red』

原作は、衝撃的な内容で賛否両論、話題となった直木賞作家・島本理生さんの「Red」。
ただこの作品映画は、結末が違います…そこが魅力でもあるのです。島本さんも、ラストが異なるのが素晴らしいと絶賛。女性の生き方にオンリーワンの正解はないのですよね。

主人公は、一流商社に勤める誰もが羨む夫・真と、可愛い娘、真の両親と共に郊外の瀟洒な一軒家で暮らしている塔子。何も問題のない生活を送っているはずでしたが、家族への気遣いや夫への不満に自分の心を偽りながら生きていました。
ある日、10年ぶりに、かつて愛した男・鞍田と再会します。
やがて、鞍田の同僚として働き始めた塔子は、家庭では味わえなかった仕事のやりがいを感じていくようになります。そして、鞍田は行き場のなかった塔子の心を少しずつほどいてくれました。
しかし、鞍田にはある秘密がありました。その秘密とは?
過去と現在が交差しながら向かう先…塔子は誰も想像しなかった決断をすることになるのです。

主人公・塔子役は、少女のような外見と裏腹に幅広い役を演じてきた夏帆さん。
今回も鞍田と再会する前と後でどんどん変化していく女性を見事に演じました。
塔子がかつて愛した男・鞍田役は妻夫木聡さん。
あんなに色っぽい妻夫木さんを見たことがありません。
そして、いわゆる世間の男性代表のような考え方をもつ塔子の夫・真役には間宮翔太朗さん。
悪気は全くないのに優しく塔子を傷つける夫…「こういう旦那さん、いるいる〜」と共感できました。
個人的には、塔子に好意を寄せる同僚・小鷹を演じる柄本佑さんが好きです。
男性としても人間としても魅力的! 塔子とのツーショットシーンはこの作品のオアシスです。

監督は、『幼な子われらに生まれ』で数々の映画賞に輝いた三島有紀子さん。
「実は塔子のように“自分がどう感じているかを考えるより前に、世間がどう反応しているかを知りたい”と思う…社会・世間に尺度を置いている人が意外と多い気がしている」と話しているように、塔子を通して、個人の生き方を問う映画に仕上がっています。
SNSで拡散され反応が早い昨今、回りの人達からどう見られるかをつい考えてしまいがちですが、“自分の人生を選択し歩んでいくのは自分なのだ”と改めて気付かせてくれる作品です。
塔子の選択…あなたはどう思いますか?


『Red』
2月21日(金)新宿バルト9他全国公開

公式HP:redmovie.jp 
公式Twitter:@red_movie2020

出演:夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗、片岡礼子、酒向 芳、山本郁子/浅野和之、余 貴美子
監督:三島有紀子 
原作:島本理生『Red』(中公文庫) 
脚本:池田千尋 三島有紀子
企画・製作幹事・配給:日活 
制作プロダクション:オフィス・シロウズ 
企画協力:フラミンゴ
上映時間:123分
R15

©2020『Red』製作委員会
Red(c) 島本理生/中央公論新社

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