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サンデー早起キネマ『ソン・ランの響き』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

ベトナムから届いた感動作『ソン・ランの響き』をご紹介しましょう

光を上手に使った美しい映像に異国情緒が漂い、どうしようもない切なくさが溢れるとっても好きな作品です!
サイゴンで出会った孤独なふたりの男の数日間の物語。

舞台は1980年代のサイゴン(今のホーチミン)。
高利貸しの手下で、借金の取り立てをしているユンは、手段を択ばない恐ろしい取り立てで“雷のユン兄貴”と恐れられていました。
ある日、ベトナムの伝統歌舞劇「カイルオン」の花形役者リン・フンと運命的に出会います。
最初は反発し合っていたふたりですが、停電の夜、家の鍵をなくしたリン・フンがユンの家に泊まったことをきっかけに、心を通わせていきます。
実はユンの父親はカイルオンには欠かせない打楽器ソン・ランの奏者で、ユンも見事な腕前。今も楽器を大切に持っていたのです。
粗野なユンと一途な役者のリン・フンは一見対照的ですが、共に悲しい過去を持つふたりは孤独を埋めるように響き合い、これまで感じたことのない気持ちを抱き始めます。しかし、ユンが過去に犯したある出来事のためにふたりの運命は思わぬ方向に進んでいくのです。

最後のシーンは、切な過ぎて「えー?!なんでー?!」と叫びたくなりました。しばし呆然とし、それからいろんなことが頭の中をグルグル回りました。

ベトナムの大衆歌舞劇「カイルオン」は、いわばベトナム版のオペラ。
作品の中でも所々に使われて、自分も劇場でリン・フンの舞台を観ている気分になります。
演目は「ミー・チャウとチョン・トゥイー」ロミオとジュリエットのような悲劇の物語です。

ユンを演じたのは、映画初出演にして初主演のリエン・ビン・ファット。
2018年の東京国際映画祭で、若手俳優を対象にしたジェムストーン賞を受賞しています。
一言カッコいい~!心に広がる悲しみとやるせなさがすごい色気で迫ってきます。
一方、カイルオンのスター リン・フン役は、ベトナムのアイドル アイザック。
伝統的なカイルオンを見事な歌声と踊りで完璧に演じ、高い評価を得ました。

ベトナム語でソンはふたり、ランは男という意味があるそうです。
孤独を抱えたふたりの男の美しくも切ない情愛の物語に、胸が締め付けられます。

『ソン・ランの響き』(原題:Song Lang)

2020年2月22日より新宿K’s cinema他ロードショー

公式HP: http://www.pan-dora.co.jp/songlang/

©2019 STUDIO68
配給:ムービー・アクト・プロジェクト
<スタッフ・キャスト>
監督:レオン・レ 
脚本:レオン・レ ミン・ゴック・グエン 
撮影:ボブ・グエン プロデューサー:ゴ・タイン・バン 
製作:STUDIO68
出演:リアン・ビン・ファット アイザック スアン・ヒエップ
提供:パンドラ 
配給協力:ミカタ・エンタテインメント 
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
【2018年/102分/ベトナム】 

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