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サンデー早起キネマ『ダンサー そして私たちは踊った』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

今回は、ジョージアを舞台にした『ダンサー そして私たちは踊った』

ヨーロッパとアジアの中間にあるジョージア・旧ソ連グルジアは、かつてはシルクロードの要衝として栄えました。
国土は日本の1/5ほど。人口は390万人。
温暖な気候と肥沃な大地に恵まれた農業国でもあります。
1991年に独立。主な宗教はキリスト・ジョージア正教で、同性愛に不寛容です。
この作品の要・ジョージア舞踊は、男性は、高く飛び空中で回転するなど、アクロバティックで強さが求められ、逆に女性は、優雅さが求められます。

主人公は、ジョージアの国立舞踊団で、幼少期からダンスパートナーのマリとトレーニングを積んできたメラブ。
日中のハードな練習の後は、家計を支えるためレストランでアルバイトという大変な生活。気持ちが休まる暇もありません。
そんなある日、カリスマ的な魅力のある青年イラクリが、舞踊団に入団。
同時に、メイン団の欠員補充のため、オーディションが行われることになります。
イラクリのダンスの才能に驚き、ライバル心を燃やすメラブですが、オーディションに向けて2人で特訓するうちに、抗えない自分の気持ちに気がついてしまいます。
ともに踊りながら距離を縮めていくメラブとイラクリ。
ある夜、ふたりはお互いの気持ちを確かめ合いますが、その翌日からメラブは自分を取り巻く厳しい社会の現実を突きつけられるのです。

この作品の最大の魅力は、メラブをはじめとしたダンサーたちのジョージア舞踊です。ジョージアの伝統音楽に乗せた激しいダンスは、高貴な雰囲気さえ漂います。
メラブを演じたレヴァン・ゲルバヒアニは、ジョージアのコンテンポラリーダンサー。
インスタグラムがきっかけで、この作品でスクリーンデビューを果たしました。ダンサーだけに踊りも見事で、表情もとても豊か。これから楽しみな俳優さんの誕生です。

この作品は、同性愛を認めない凝り固まったジョージアの古い社会の中で、撮影や上映に当たり大変な苦労がありました。
それでも、ジョージア系スウェーデン人のレヴァン・アキン監督は、ジョージアの文化を愛し守る中で、「ゲイがジョージア舞踊を踊ってもいいんだ」「男女の愛を歌った古く美しい曲を同性の恋人を思いながら歌ってもいいんだ」と訴えたかったといいます。

ジョージアという国が新しく生まれ変わる時が来たと知らせる作品なのかもしれません。

『ダンサー そして私たちは踊った』

2/21(金)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか公開
公式サイト:
www.finefilms.co.jp/dance

監督:レヴァン・アキン
出演:レヴァン・ゲルバヒアニ、バチ・ヴァリシュヴィリ、アナ・ジャヴァヒシュヴィリ
2019/スウェーデン、ジョージア、フランス/カラー/ジョージア語/113分  映倫:PG12 
原題:And Then We Danced
後援:スウェーデン大使館、ジョージア大使館、在日フランス大使館、アンスティチュフランセ日本 
配給:ファインフィルムズ

(c) French Quarter Film / Takes Film / Ama Productions / RMV Film / Inland Film 2019 all rights reserved.

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