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サンデー早起キネマ『母との約束、250通の手紙』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

今回は、フランスから届いた実在の人物の驚きの人生を描く
『母との約束、250通の手紙』

フランスの三島由紀夫とも評される伝説の文豪ロマン・ガリ。
権威あるフランス文学最高峰・ゴンクール賞を、なんと史上唯一2度も受賞。
外交官でもあり映画監督、そして妻は女優のジーン・セバーグ…という輝かしい人生ですが、最後は拳銃自殺を遂げています。
彼の波乱万丈で数奇な人生を描いた自伝「夜明けの約束」の映画化です。

簡単に言ってしまうと“破天荒な母親の途方もない溺愛の物語”です。
それに答えようとする息子…“母と息子の愛情ってどれだけすごいの?!”と驚かされます。

ロマンの母は、思い込みが激しく負けん気の強いニーナ。
フランスを理想化するユダヤ系ポーランド移民で、女手一つでロマンを育てています。
彼女は息子のロマンが「フランス軍で活躍し勲章を授かって外交官になり、やがては大作家になる」と妄信。周囲に笑い飛ばされても、その才能を引き出すことに命を懸けていました。
母と共にロシア、ポーランド、フランスへと移り住み、身近でその苦労を見てきたロマンは、母の溺愛と期待の重圧に押しつぶされそうになりながらも、幼い頃に母と交わした約束を果たすため、努力を惜しまないようになっていきます。
ロマンはやがて母が進言する自由フランス軍に身を投じますが病に犯され、生死の境をさまよいます。その間も次々と届く母からの激励の手紙のお陰で生還します。
そしてついにロマンはパイロットとして活躍し、同時に念願の小説が出版されることに!
しかし相変わらず届き続けるニーナの手紙には、なぜか息子の作家デビューを喜ぶ様子はありません。
実は、母から届いた250通に及ぶ手紙には、思いもしない秘密が隠されていたのです。

母ニーナを演じたシャルロット・ゲンズブールがものすごいです。スクリーンから彼女の圧が伝わってきます。現実だったらどんなに辛いか…
そんな母の愛情を一身に受けざるを得ないロマン役は、若手期待のピエール・ニネ。豊かすぎる母の愛情と期待を受け止めようと努力・苦悩する姿を丹念に演じていました。

“念ずれば花開く”“虚仮の一念岩をも通す”などと言いますが、堅く信じて思い続けると叶うこともあるのですね。そしてその先にはなにがあるのでしょうか…?
第二次世界大戦下の激動の時代に翻弄されながらも、強すぎるほどの絆で、互いの存在だけを頼りに生き抜いた親子の愛に心揺さぶられる感動作です。

母との約束、250通の手紙』

1月31日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開

公式サイト:https://250letters.jp/

©2017-JERICO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-NEXUS FACTORY-UMEDIA

監督・脚本:エリック・バルビエ 共同脚本:マリー・エイナール
出演:ピエール・ニネ シャルロット・ゲンズブール ディディエ・ブルドン ジャン=ピエール・ダルッサン キャサリン・マコーマック
2017年/フランス=ベルギー/フランス語、ポーランド語、スペイン語、英語/131分/シネスコ/DCP/5.1ch/原題:La promesse de l‘aube/原作:ロマン・ガリ『夜明けの約束』(共和国)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 
配給:松竹 R-15+ 

 

 

 

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