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サンデー早起キネマ『盗まれたカラヴァッジョ』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

未だ解決されていない実際の事件を題材にした『盗まれたカラヴァッジョ』

  

イタリア美術に関心がある方ならご存知でしょうね。
1969年、イタリア・パルレモのサン・ロレンツォ礼拝堂から持ち去られたカラヴァッジョの名画“キリスト降誕”。
マフィアの手に渡ったとも言われ、50年以上が過ぎて、今もどこかに存在しているのか、それとも消失してしまったのか…誰にもわからないのです。

その事件を取り上げたのが、『ローマに消えた男』『修道士は沈黙する』の名匠ロベルト・アンドー監督。脚本も担当しています。
「映画が以前に比べて周縁に追いやられ弱体化していると感じられる今、映画を中心に据え、映画と現実の、不可思議で不可避な結びつきに焦点を当てたストーリーを語ってみたかった」と製作に乗り出しました。

主人公は、映画プロデューサーの秘書ヴァレリア。
実は、今をときめく人気脚本家アレッサンドロのゴーストライターなのです。
ある時、ラックと名乗る謎の初老の男が、「今も未解決の<カラヴァッジョの名画“キリスト降誕”盗難事件>は、実はマフィアの仕業だった」と教えてくれます。
ラックが話す事件の裏側は、ネタが尽きてきたゴーストライター・ヴァレリアの心を掴み、早速アレッサンドロの名前でプロットにまとめると、プロデューサーは傑作だと絶賛、たちまち映画化が決定します。
しかしそんな中、アレッサンドロが、映画会社と繋がるマフィアに誘拐され、瀕死の昏睡状態で発見されます。
ヴァレリアは罪の意識とアレッサンドロへの愛情からシナリオを完成させようと決意。
ラックの協力のもと、“ミスターX”の名前でアレッサンドロのアドレスからシナリオを送り続けます。
一方マフィアはマフィアで、“ミスターX”が誰かを、あらゆる手を使って突き止めようと必死です。
やがて、ヴァレリアはラックが、シナリオだけでなく現実でも<“キリスト降誕”盗難事件>を解決しようとしていることに気付きます。
ラックは一体何者なのか?そして50年の時を経て、世界は再びカラヴァッジョの名画を観ることができるのか?

マフィアとの攻防戦、次から次へと危機が訪れ、手に汗握る展開。
謎が多くても最後はスッキリ!後味が良い小粋な作品です。
そして、カラヴァッジョの名画は今どこにあるのか?どうか無事に存在していて欲しい、と願わずにはいられなくなります。
映画と事件の関わり合いも…是非劇場でご確認下さい!
そして美術好きにはたまらない美しい映像も特筆すべきところです。
シチリアの街並みを舞台に、マフィアの危険な香りと荘厳な名画、スキャンダラスな映画界を描く極上のサスペンスです。

『盗まれたカラヴァッジョ』

2020年1月17日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

公式サイト:https://senlis.co.jp/caravaggio/

監督・脚本:ロベルト・アンドー
出演:ミカエラ・ラマッツォッティ、アレッサンドロ・ガスマン、イエジー・スコリモフスキ
2018年/イタリア、フランス/イタリア語、英語/116分/カラー
字幕翻訳:関口英子 原題:Una Storia Senza Nome /PG12
配給:サンリス / ©2018 Bibi Film – Agat Film & Cie

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