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サンデー早起キネマ『私のちいさなお葬式』

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今週から、番組でご紹介した映画をブログでもご紹介していきます!

超高齢社会、人生の終わりをどう迎えるか…終活が注目されている今、是非ご覧いただきたい作品が『私のちいさなお葬式』

 

子供や周りの人に迷惑をかけず、自分の最後を整えたいおばあちゃまのユーモアたっぷり、てんやわんやのロシアの終活映画です。
親世代・子世代、それぞれに思うところがありますよ。
でも、死を前にした重い話ではなく、悲壮感もありません。
とってもチャーミングな主人公の予想もできない行動にクスッと笑い、その行動の理由を知ると、たまらなく愛おしくなるのです。

主人公は、ロシアの片田舎の村に一つしかない学校で教師を勤めあげた73歳のエレーナ。
慎ましい年金生活を送っていますが、突然余命わずかと宣告されてしまいます。心臓に問題があって、いつ止まってもおかしくないというのです。
家族は、5年に一度しか顔を見せてくれない一人息子のオレク。
エレーナは、都会で仕事が忙しい息子に迷惑をかけまいと、自分のお葬式の準備にとりかかります。
みじめな死に方はしたくない彼女の願いは、“お葬式に必要な棺桶やお酒・料理の手配を済ませ、夫が眠るお墓の隣に埋葬されること”。
遺体安置所や葬儀屋を訪ねまわったエレーナは、親友で隣人のリューダや教え子らの助けも借りながら、着々と準備を進めます。
後は、最後の旅立ちの時を待つだけ…しかし!その最終章で想定外の事態が起きてしまうのです!

自分のお葬式の準備を進めるエレーナのなんと行動的なことか!
このおばあちゃん、本当に余命宣告されたの?と疑いたくなるほど元気です。
思い切ったことをする行動力がユーモアであり、バイタリティを感じると同時にちょっぴり悲しくもあります。
今、周りにいる人達との絆、教え子たちとの交流、そして親子の関係…どれもこれも身につまされることばかり。
今できる事は今しておかないと…でもそれができないのが人間なんですよね。
映画を観終った後は、ほっこりした気分で席を立つことができます。

ロシアでは世代を超えて愛されている「恋のバカンス」のカバー曲が、この物語を一層愛しいものにしています。


『私のちいさなお葬式』

12月6日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

配給:エスパース・サロウ

(C)OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

公式HP:osoushiki.espace-sarou.com

監督:ウラジーミル・コット 脚本:ドミトリー・ランチヒン 出演:マリーナ・ネヨーロワ、アリーサ・フレインドリフ、エヴゲーニー・ミローノフ、ナタリヤ・スルコワ、セルゲイ・プスケパリス 

2017年/ロシア/ロシア語/アメリカンビスタ/カラー/5・1ch/100分/原題:Карп отмороженный/日本語字幕:堀上香/ロシア語監修:梶山祐治/後援:ロシア文化フェスティバル組織委員会、在日ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁、ロ日協会、ロシアン・アーツ、日本・ロシア協会/配給・宣伝:エスパース・サロウ

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