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サンデー早起キネマ『ブックセラーズ』

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おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/25は、とっておきの2作品をご紹介しました。

1本目は、所有者よりも長く生き抜いてきた本たちへの愛の賛歌
『ブックセラーズ』

本を売る人…そう、本屋さんなど、本にまつわる方たちのドキュメンタリーです。
インターネットの普及で、本を取り巻く環境はこの数年で随分変わりました。ポチっとするだけで本が買えるので、最近は本屋さんに行かない方も多くなりましたよね。場所を取らない、何冊も持ち歩けるということで電子書籍の愛好者も増えています。
でも、やっぱり本の重みと手触り、匂い、本屋さんで自分にピッタリの本を探す楽しみなど、実物の本でしか味わえない価値も沢山あります。

この作品では、世界中から人々が集まる世界最大規模の“NYブックフェア”の裏側、そして、本を探して売るだけではない、“本を愛する素晴らしき裏方たち”を取り上げています。
登場するブックセラーは、ニューヨークの老舗書店の人々から業界で有名なブックセラー、希少本のコレクター、さらには伝説の人物や歴史の陰に隠れていた人物まで、様々です。
かなりユニークな方ばかりで、つい「クスっ!」と笑ってしまうシーンも満載です。

本好きにはたまらない、コレクターしか見ることができないような貴重な本も登場します。
例えば、ルイス・キャロルが自身で挿絵や装丁まで仕上げてアリスに送ったという「不思議の国のアリス」のオリジナル手稿。「若草物語」のオルコットが偽名で書いた大衆的なパルプ小説。
さらには、ダ・ヴィンチが天文学や水理学について記した史上最高額の本「レスター手稿」。これに関しては、1994年ビル・ゲイツが2800万ドル(約28億4千万円)で競り落とした時のクリスティーズのオークションも見ることができます。
他にも、美しい宝石が施された本、人間の皮膚で作られた本など、世界には信じられない本が沢山あるのですね。

本はどうしてこんなにも絵になるのでしょうか?ジャズに似合うような素敵な風景も沢山広がっています。
ブックセラーが登場する映画も紹介されていますよ。

所々で登場する作家のフラン・レボウィッツのコメントが最高です!最後まで見逃さないで下さいね。
本の魅力にあふれたこの作品を観て、本というものが歴史の中でどんな役割を果たしてきたのか、そしてどこに向かっているのかなどを考えさせられました。
本について考えるということは、価値観や生き方など人生について考えることなのかもしれません。
ふと、学校帰りに本屋さんで立ち読みをするのが大好きだった小学生の頃のことを思い出しました。本屋さんの仕事がよくわからなかったあの頃は、店番をしながら本が読めると思って本屋さんになりたかったんですよね。
教科書も本と考えれば、本と関わりのない人生を送ってきた方はほとんどいらっしゃいません。
この作品は、懐かしさと同時に、これからの私たちの未来も垣間見えます。

『ブックセラーズ』

4月23日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:http://moviola.jp/booksellers/

原題:THE BOOKSELLERS|アメリカ映画 | 2019年 | 99分
監督:D.W.ヤング 製作総指揮&ナレーション:パーカー・ポージー 
字幕翻訳:齋藤敦子 配給・宣伝:ムヴィオラ、ミモザフィルムズ
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