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サンデー早起キネマ『旅立つ息子へ』

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おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/28は、“人間の凄さ”を実感する3作品をご紹介しました。

2本目は、「わかってはいても、どうにも切ない」
実話を元に、子育て卒業の時を描いたイスラエルの作品
『旅立つ息子へ』

監督は、史上初、東京国際映画祭・東京グランプリを2度受賞した俊才、イスラエル出身のニル・ベルグマン。
この作品も、イスラエルのアカデミー賞・主要賞を総なめにしています。
物語のモデルとなったのは、脚本家のダナ・イディシスの父親と自閉症の弟。
「ふと、父親が死んだら弟はどうなってしまうのか…」と考えたことから、この作品が生まれました。

主人公の親子は、田舎町に住む父親アハロンと自閉症スペクトラムの一人息子ウリ。
アハロンは世界で一番愛する息子のために、売れっ子グラフィックデザイナーのキャリアも捨て、子育てに人生を捧げてきました。
そんな彼ももう青年。こだわりが強くて世話が焼けるけど、純粋無垢な息子と過ごす日々は、アハロンにとってはかけがえのない幸せな時間であり、生きる喜びでした。
しかし別居中の妻タマラは過保護な夫に大反対。
ウリの自立をサポートするために、全寮制の特別支援施設への入所手続きを進めています。
裁判所も決まった収入がないアハロンを養育不適合と判断し、入所の日取りが決定しました。
施設に連れて行く途中で「お父さんと一緒にいたい」とパニックを起こしたウリをみて、アハロンは決心します。
「息子は自分が守り抜く!」
父と息子は、お金も、行くあてもない旅に出ることに。
息子に人生を捧げた父がたどり着いた答えとは?

実在の親子を見事な演技で再現したのは、イスラエルのベテラン俳優シャイ・アヴィヴィと無名の新人ノアム・インベル。
彼を見て1993年の映画『ギルバート・グレイプ』のレオナルド・ディカプリオを思い出しました。実際「ディカプリオの再来」と評判になっているそうです。

変わっていく状況に気持ちが追い付かず揺れる父親と、ゆっくりでも成長している息子…
お子さんがいらっしゃる方はもちろん、自分が子供で親からの自立を経験した方なら誰でも、“寂しさと愛おしさに板挟みになったあの時”の気持ちを思い出すのではないでしょうか。

『旅立つ息子へ』

3月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

https://longride.jp/musukoe/

監督:ニル・ベルグマン
脚本:ダナ・イディシス
出演:シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、ダル・ヴォルフマン
2020年/イスラエル・イタリア/ヘブライ語/94分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/英題:Here We Are/日本語字幕:原田りえ PG12
配給・宣伝:ロングライド
©︎ 2020 Spiro Films LTD.

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