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サンデー早起キネマ『ノマドランド』

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おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/21は、今までにない世界観が広がる話題の映画を2本ご紹介しました。

1本目は、今年度のゴールデン・グローブ賞で作品賞と監督賞を受賞。
さらにアカデミー賞では、作品賞・監督賞・主演女優賞など6部門にノミネートされた
『ノマドランド』

主演は、『ファーゴ』『スリービルボード』でアカデミー賞主演女優賞を2度受賞、今回3度目の受賞が期待されるフランシス・マクドーマンド。今回も素晴らしいです!
監督は、中国北京生まれのクロエ・ジャオ。彼女に惚れ込んだマクドーマンドが監督として抜擢しました。
新時代の女性2人がタッグを組んだこの作品は、現代のノマド=遊牧民を描くことで、人としてどう生きていくのかを問う傑作です。
原作は、ニューヨークタイムズやAP通信、ロイターなどで活躍する気鋭のジャーナリスト、ジェシカ・ブルーダーが数百人のノマドを取材して書き上げたノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」。

物語の始まりはアメリカ・ネバダ州の町エンパイア。かつては石膏の採掘で栄えましたが、不況のあおりで町そのものが閉鎖され、すべての住民が出ていくことになりました。
仕事と家を同時に失った60代のファーンは、亡き夫の想い出をキャンピングカーに詰め込み、現代のノマド=遊牧民としての新しい生き方を探すために旅立ちました。
キャンピングカーで寝泊まりしながら、クリスマスプレゼントの配送や、農産物の収穫など季節労働の現場を渡り歩くのです。
その日その日を一生懸命に生き延び、行く先々でノマドたちと出会い交流する…誇りを持った彼女の自由な旅は続いていきます。
この旅で、ファーンは何を見、何を感じて、どこに行きつくのでしょうか?

ファーンの旅は、まるでドキュメンタリーを見ているようでした。
それもそのはず、ファーンを演じたマクドーマンドが、実在のノマドたちの生活の場に入って、彼らと路上で生活を共にし、仕事場で一緒に働いたのです。
自分の役で作品に出演したノマドたちもいました。だからこそのリアリティです。
全てを失ったファーンが、ノマドたちとの出会いで生きる力を取り戻し、荒野、岩山、森、星空、ハリケーンという厳しくも優しい大自然の中で独り立ちし新しい人生を見つけていくのです。

旅の途中、町で出会った子供に「ホームレスになったの?」と聞かれたファーンが「違うわ。ハウスレスよ」と答える一言がとても印象的でした。
家=ハウスは無くても、心が帰る場所=ホームはあるんですよね。
路上や荒野で出会い、ひと時を共に過ごし、またそれぞれ旅立っていくノマドたちのあいさつに「さようなら」はありません。
必ず言うのは「また、路上で会おう!」
誰もが初めて経験する新しい時代の希望を、広大なアメリカ西部の美しく厳しい自然の中で発見するロードムービーは、あなたが知らず知らずのうちに心の奥底にしまい込んでしまったものに出会わせてくれるかもしれません。

『ノマドランド』

3月26日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

公式サイト:ノマドランド|映画|サーチライト・ピクチャーズ (searchlightpictures.jp)

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
© 2020 20th Century Studios. All rights reserved.

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