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サンデー早起キネマ『野球少女』

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おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/7は、正反対のタイプでありながら、人生の素晴らしさを教えてくれる作品を2本ご紹介しました。

1本目は、韓国の作品。
ただひたすらにプロ野球選手を目指す女子高生の物語
『野球少女』

1997年に女子で初めて高校の野球部に所属し、韓国プロ野球が主催する公式試合で先発登板を果たしたアン・ヒャンミ選手をモチーフに作られました。

物語の主人公は、リトルリーグ時代からすべてを野球に捧げ、134キロの速球を誇る“天才野球少女”チュ・スイン。
高校卒業を前にプロ野球選手になる夢を叶えようとしますが、女子というだけでトライアウトさえ受けさせてもらえません。
母や野球部の監督、新任のコーチ・ジンテからも、「どうせ無理だから、夢を諦めて現実を見ろ」と言われます。
「なんでわかるの?やってもいないのに…」
自分を信じて突き進むスインの姿に、ジンテの心が動きます。
スインの投げる球は女子としては速球でも、男子の中では埋もれ、打たれてしまう。
短所をカバーするには長所を伸ばせ!スインの長所は高い回転数。剛速球は必要ない、打たれない球を投げればいい!
ジンテはスインがスカウトの目に留まるように作戦を練り、2人の特訓が始まります。
そして、次々と立ちふさがる壁を乗り越えたスインに、ついにトライアウトのチャンスが訪れます。
スインは夢を叶えることができるのでしょうか?

スインを演じたのは、日本でも大ヒットしたドラマ「梨泰院クラス」で、トランスジェンダーの料理長を演じ大ブレイクしたイ・ジュヨン。
「この作品では、主人公のスインが野球をすること自体が大切。だから、野球のシーンを吹き替えにするような中途半端なことはしたくなかった」と、撮影前のおよそ40日間、独立リーグの選手と一緒に特訓を受けたそうです。
その甲斐あって、自然な素晴らしいフォームの投球を見せてくれました。

スインは、幼い頃からどんな辛いことがあっても負けずに、大好きな野球に打ち込んできました。
「女子が野球部にいることだけでも大変なのに、俺たちが応援しなくてどうする」という父の言葉。
「スインは自分から“できない”とは一度も言っていないのに、周りが“できない”というのは違う気がする」というコーチの言葉。
作品を観ていると、どんどんスインの情熱に引き込まれ、心の中でスインに声援を送っている自分に気づきます。
そして、最後には、逆にスインから応援されているような気になるのです。

この作品が長編映画デビューとなったチェ・ユンテ監督は、「社会の枠に合わせようとする人たちに、自分の道を切り開く案内人としてスインを描きたかった。自分の長所を信じて最後まで前に進むことは間違いではないことを伝えたい」と話しています。
この作品では野球でしたが、他にもいろいろな場面で、“女だから”といわれることがありますよね。
「女だから無理、女のくせに」
多くの女性は、幼い頃から体験してきたことだと思います。
でも、スインはいつもこういいます。
「どうしてわかるの?やってもいないのに…」
この作品が、まさしく今 “女性軽視発言に揺れる日本” で公開されることに、大きな意義があると思いました。
性別も年齢も関係なく、誰もが堂々と自分の道を歩ける社会を実現させるための力に、きっとなってくれます!

夢を諦めず突き進むことが周りの人たちをも変えていく
『野球少女』

3月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー

公式サイト:longride.jp/baseballgirl/

監督・脚本:チェ・ユンテ
出演:イ・ジュヨン  「梨泰院クラス」
   イ・ジュニョク 「秘密の森」
   ヨム・ヘラン  「椿の花咲く頃」
   ソン・ヨンギュ  「エクストリーム・ジョブ」
2019年/韓国/韓国語/105分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Baseball Girl /日本語字幕:根本理恵
配給:ロングライド
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