• Facebook
  • Twitter
  • LINE

サンデー早起キネマ『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

  • LINEで送る

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
2/28は、とっておきの3本をご紹介しました。

2本目は、世界57か国で大ヒット!
まるでドキュメンタリーを見ているような感動作
『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

何と、3年以上かけて“11歳の少女と本物のライオンの絆”を築き上げ、一切CGなしで撮影されました。
この写真でも、少女が寄りかかっているのは本物のライオン!
驚くべきことですが、この作品を観ているとそれも信じられるようになってくるのです。
監督は、ドキュメンタリー作品で定評のあるフランス人ジル・ド・メストル。
自身が以前撮ったドキュメンタリー作品で知った南アフリカの社会問題である“缶詰狩り”をテーマに、物語と同じ3年の歳月をかけ作り上げました。
“缶詰狩り”は、人工的に繁殖させた(野生)動物を囲いの中に放ちハンターが仕留める狩りです。世界中から人々が集まり南アフリカの産業として成り立っていて、南アフリカでは合法です。

主人公は、父親がライオンの牧場、ライオン・ファームを経営するため、家族と一緒にロンドンから南アフリカへ引っ越してきた少女ミア。いきなりサバンナの真ん中に連れてこられ、環境にも馴染めずに両親に反抗していました。
そんなミアが11歳のクリスマスの日、ファームでホワイトライオンの赤ちゃんチャーリーが誕生します。
なぜか自分に懐いてくるチャーリーをはじめは疎ましく思っていたミアですが、段々可愛く思えてきて、一緒に過ごすうちに特別な友情で結ばれていきます。

3年後、ミアは14歳になり、チャーリーは立派なたてがみの美しい雄ライオンに成長していました。
今まで見守ってきた両親は、「大人のライオンは危険だ」と、ミアから引き離すためにチャーリーを売ろうと考えます。しかも相手は、“缶詰狩り”を営む業者!
それを知ったミアは、チャーリーをファームから連れ出し、ライオンが自由に暮らせる野生動物保護区へ連れて行こうとします。
様々な困難を乗り越えながら、サバンナを横断していくミアとチャーリー。
果たして、無事、保護区に辿りつけるのでしょうか?

ミアとチャーリー、凄いの一言です!
本当に仲良しで、演技ではなく心が繋がり信頼し合っているのがよくわかります。
ミア役は300人以上の中から抜擢されたダニア・デ・ヴィラーズ。
チャーリーは、赤ちゃん・4カ月まで・そして4カ月以降と3頭がリレーしました。
4カ月以降のチャーリーを演じたのはトール。聡明で類まれな才能を持っています。作品の中でトールが演技をしているように見えるのは、私だけではないはず。
ライオンは、かくも美しく賢い動物なのか…その素晴らしさに圧倒されます。

2人(1人と1頭ですが)は撮影がある日もない日も3年間ずっと一緒に過ごして、友情を育んできました。だからこそ、CGも一切使わず撮影できたのです。
1歳半までは普通に撮影が行われましたが、それ以降は、監督をはじめスタッフが檻の中に入って撮影したそうです。
大きくなったトールに近づけるのは、たった3人だけだったからです。
20年以上に渡って100頭を超えるライオンと関わってきた動物研究家で保護活動家のケビン・リチャードソン、ミア役のダニア、そしてミアの兄ミック役のライアン・マック・レナン。3人のうち2人が子ども!ちょっと象徴的ではありませんか?

ミアとチャーリーの種を超えた生き物同志の友情は、私たちにいろんなことを教えてくれます。
お互いを信じることの素晴らしさ、正しい道を進む勇気、家族の愛、守らなければ自然は失われること。
動物たちは大自然の中でただひたすらに生きています…私たち人間に、それを侵害する権利はないのです。
動物と人間の問題は、自然に対する私たちの考え方の投影でもあります。
ミアとチャーリーの友情に感動し溢れた涙が乾く前に、何ができるのか考えてみませんか?
毅然としたチャーリーの姿に恥じないように。


『ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日』

2021年2月26日(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷、ほかにて全国順次公開

公式サイト:https:miaandthewhitelion.jp/
公式twitter:@mia_whitelionjp

監督:ジル・ド・メストル
脚本:プルーン・ド・メストル、ウィリアム・デイヴィス
出演:ダニア・デ・ヴィラーズ、メラニー・ロラン、ラングリー・カークウッド ほか
原題:Mia et le lion blanc/2018/フランス/98分
提供:木下グループ 配給:シネメディア
Ⓒ2018 Galatee Films – Outside Films – Film Afrika D – Pandora Film -Studiocanal – M6 Films

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >