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サンデー早起キネマ『ある人質 生還までの398日』

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おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
2/14は、2作品をご紹介しました。

2本目は、驚き、怒り、泣いた作品。
衝撃の実話を元にした
『ある人質 生還までの398日』

2013年5月から翌年2014年6月までの398日間にわたって、シリアで過激派組織ISの人質となり、奇跡的に生還を果たしたデンマーク人の写真家ダニエル・リューの衝撃の実話が映画化されました。
原作は、ジャーナリストのプク・ダムスゴーが、ダニエルと関係者に取材して書き上げた「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」。 
日本でも翻訳本が出版されています。読んだ方もいらっしゃるでしょうね。

ダニエルは、体操の国家代表選手に選ばれましたが、ケガをして体操を諦め、夢だった写真家としてスタートを切ります。
「“戦争の中の日常”を世界に伝えたい」という思いで、シリアの非戦闘地帯に向かいます。
その頃シリアは情勢が刻々と変化していて、イスラム過激派の新興勢力が手を組み、ISは活動拡大の初期段階でした。
活動資金調達のために誘拐ビジネスも活発化。ジャーナリストたちが誘拐されていました。
ダニエルもそんな一味に誘拐され、酷い拷問を受けます。
家族は巨額の身代金を用意するために奔走しますが、犯人側は容赦なく追い打ちをかけ過大な要求を突き付けてきます。
ダニエルは?他の人質たちの運命はいかに?

この作品では、拷問と飢えに苦しみ、恐怖と不安にさいなまれる地獄の日々をダニエルはいかにして耐え抜いたのか?
そして、他の人質たちの様子、彼を救おうと奔走する家族や人質救出の専門家の姿、さらには、人質たちのそれぞれの国の対応や世論の動きなど、ニュースでは知りえなかったことが赤裸々に綴られています。
ISの真実を、人質の視点で内側から初めて本格的に描いた作品として評価されています。

目をそむけたくなる拷問シーン、あまりの理不尽さにハラワタが煮えくり返るシーンも沢山あります。
でも、この作品で大切なのは〈極限状態にある中で、人は、どう考えどう行動するのか〉ということだと思います。
ただひたすらに信じ最悪の本能に乗っ取られた人、言われなき罪で拘束された人質、突然地獄に突き落とされた家族、命がけで救出を試みる専門家…
彼らの姿を通して、自分はどう感じたのか?どうしたいと思ったのか?

囚われた中で、ダニエルと友情を育むアメリカ人ジャーナリスト・ジェームズの言葉が忘れられません。
「世界を変えたい気持ちは、止められない」
その根底にあるのは、彼の溢れ出る想い…地球を包み込めるほどの、とっても大きな愛なのではないでしょうか?
そう思ったら涙が止まりませんでした。
ダニエルの過酷な体験と、決してあきらめなかった家族の奔走を描いたスリリングな感動物語、是非ご堪能下さい。
そして、自分はどうしたいのか、一緒に考えてみませんか?

『ある人質 生還までの398日』

2021年2月19日(金)
ヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー

公式サイト:398-movie.jp 
公式twitter:@398_movie

監督:ニールス・アルデン・オプレヴ( 『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』)、アナス・W・ベアテルセン
出演:エスベン・スメド、トビー・ケベル、アナス・W・ベアテルセン、ソフィー・トルプ
原作:プク・ダムスゴー「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書刊)
原題:SER DU MÅNEN, DANIEL/2019/デンマーク・スウェーデン・ノルウェー/デンマーク語・英語・アラビア語/138分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語字幕:小路真由子 後援:デンマーク王国大使館
配給:ハピネット 配給協力:ギグリーボックス 宣伝:サルーテ  
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