おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
2/7は、驚くべき実話をもとにした２作品（＋1作品）をご紹介しました。
＋1作品は、拉致によって引き裂かれた家族の過酷な運命の物語
『映画『めぐみへの誓い』』
“サンデー早起キネマ”の前のコーナー“ちょっと聞いてよ、みゆ紀さん”に、野伏翔監督と主演の菜月さんがお話に来て下さいました。
1977年、中学1年生・当時13歳だった横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されて今年で44年になります。
拉致問題は、何度もニュースで見聞きしてきました。その度に日本人として辛い気持ちになりました。
でも、こうして映像で見せられると、めぐみさんがどれほど壮絶な人生を歩んでいるのか、ご両親や周りの人達がどれほどの思いを抱えてここまで来たのか、身につまされ、心がご家族の元に向かっていくのです。
もともとは劇団夜想会の舞台だったこの作品。初演は2010年。
その後、全国を回り、およそ3万人の方々がご覧になりました。そして、もっと多くの方にご覧頂きたいと映画を作ることになりました。
めぐみさん役の菜月さんは「このお話を頂いた時は拉致問題に対して浅い知識しかなかった。舞台を観て皆さんの熱量に衝撃を受けた。頑張ろうと思ってはいたけど、一生懸命という次元ではなく、全身全霊で、“この命切れるまでやらなきゃいかんぞ”と思った」と笑いながら話してくれました。
それに対して野伏監督は「役に入り込み過ぎて、ほんとに切れちゃったの。過呼吸症候群で倒れて撮影がストップしちゃったんだよ」と優しいまなざし。
菜月さんをはじめとして、この作品の素晴らしさはキャスティングの素晴らしさでもあります。
滋さんは原田大二郎さん、早紀江さんは石村とも子さんが、舞台から演じています。
身体が大きく溌溂したイメージの原田大二郎さんですが、途中からはもう滋さんにしか見えなくなっていました。
その辺りを監督に伺うと「役者さんは外見よりも本質。見た目は違うが、内面の優しさや子煩悩なところはそっくり。演技をしているうちにそっちが出てくる。外見よりもそっちの方が大切。」と仰っていました。
菜月さんに対しても、「めぐみさんにお会いしたことはないが、ご両親のお話から推察されるキャラクター…上品さや清楚さ、内面の強さなど、菜月ちゃんにピッタリだと思う。」
その菜月さんにめぐみさんを演じて変わったことを伺うと「日常がどれだけ尊いものか、当たり前ではなく有難いことなんだとわかった。その上で、日常に感謝しながらも楽しく生きていくことが大事なのだと思う」と語ってくれました。
野伏監督は「脚本の狙い通り」とニンマリ。
「この作品で、〈自由〉と〈（クリスマスや本屋さんでの立ち読みなど）何気なく享受している文化の大切さ〉が奪われてはならないということがわかってもらえるのではないか」さらに「拉致問題は社会問題で固いと思っているかもしれないが、それで終わらないよう心がけた。親子の絆、逆境の中でどう生き抜いていくかという人間の強さを描いた人間賛歌でもある。是非劇場で楽しんで欲しい」と結んで下さいました。
今21歳の菜月さん、「拉致問題を知らない世代の人にも届いて欲しい」と話す瞳はキラキラと輝いていました。
日本海から始まり日本海で終わる映画『めぐみへの誓い』。
胸にブルーリボンのバッジをつけた野伏監督の一言がとても印象的でした。
「この青い日本海が、隔ててもいるし、繋いでもいる」
世の中には知らないで済むこともあるかもしれませんが、まずはこの映画を観て知ることから始めてみませんか？
知ったらきっと考えずにはいられなくなります。
今、世の中で起きていることを。北朝鮮に拉致された可能性がある800人以上の日本人のことを。
映画『めぐみへの誓い』
2021年2月19日 (金)より
池袋シネマ・ロサ、ＡＬ☆ＶＥシアター（アルヴェシアター/秋田市）他全国順次公開！
公式サイト：http://www.megumi-movie.net/index.html
監督・脚本：野伏 翔
出演：菜月 原田大二郎 石村とも子 大鶴義丹 小松政夫 仁支川峰子 坂上梨々愛 安座間美優 小林麗菜
企画：野伏翔 上島嘉郎 佐々木俊夫 総合プロデューサー：松村譲裕 原作：野伏翔
拉致問題監修：荒木和博 助監督：平波亘 撮影：神野誉晃 美術監修：安宅紀史 照明：斉藤徹
音楽：許平和 許真弓 録音：岡部聡 ヘアメイク：榎本愛子 キャスティング：永嶋晶
製作：映画「めぐみへの誓い」製作委員会 配給・宣伝：株式会社アティカス
映倫区分：G コピーライト：©映画「めぐみへの誓い」製作委員会
2020／カラー／日本／102 分／アメリカンビスタ／5.1ch
