おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/31は、2つの世界を描いた三つの国の三作品をご紹介しました。
3本目は、２つの世界というより、一人の人間の二面性、光と影を描いたドキュメンタリー作品です。
誰もが知っている最高のサッカー選手の物語
『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』
アルゼンチン・ブエノスアイレスのスラム街で生まれ、15歳11ヶ月の最年少記録でアルゼンチンリーグデビューを果たしたマラドーナ。
史上最高のサッカー選手と称賛され、移籍金の記録も打ち破り、成績不振だったイタリアのサッカークラブSSCナポリを、さらには、1986年のワールドカップメキシコ大会で母国のアルゼンチン代表を、優勝に導きました。
しかし、彼の人生は愛人とのゴシップやコカインでの逮捕、マフィアとの交際など影に覆われている部分も大きく、行く先々で論争が絶えませんでした。
マスコミのお気に入りであり標的でもあったマラドーナの波瀾万丈な人生は、去年2020年に亡くなるまで常に栄光と失敗の連続でした。
そんなマラドーナの人生をドキュメンタリー作品として世に送り出したのは、アシフ・カパディア監督。
『アイルトン・セナ～音速の彼方へ』『AMY エイミー』に続く長編ドキュメンタリー第三作です。
とにかく分かり易く、マラドーナという人間を描いています。
マラドーナと一緒にピッチに立っているかのように迫力あるプレーシーン、なかなか見られない凄まじい練習風景、子供時代のモノクロフィルム、そして、この作品の中心となっているイタリア時代の様々な映像。
類まれなる才能を授かった一人の男の驚きの人生の軌跡は、サッカーファンはもちろん、サッカーに全く興味がない方でも、十分に楽しめます。
そして、サッカーファンの方には周知の事実かもしれませんが、私がとても驚いたのは、イタリアの人たちのサッカーへの熱狂です。
生活の一部というより人生そのもの！マラドーナを神とまで崇めたかと思えば、またサッカーが絡むと態度が豹変します。
さらに、よくぞこんな細かい個人的な映像まで残っていたものだと驚いたのですが、マラドーナの生涯の友で最初のエージェントが、いつかマラドーナの映画を製作したいと2人のカメラマンに撮らせていたのだそうです。
その貴重な映像が40年の歳月を経て、ついにスクリーンで上映されることになったのです。
ディエゴという素朴な青年と、マラドーナというビジネスに対応するために生まれた新しい人格、そして、光と影、天国と地獄、栄光と挫折…相反する2つの世界を行き来したディエゴ・マラドーナの人生をあなたも辿ってみませんか？
神か悪魔か…
『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』
2021年2月5日（金）新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン他全国ロードショー
公式サイト：映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』オフィシャルサイト (maradona-movie.jp)
監督・製作総指揮：アシフ・カパディア／製作：ジェームズ・ゲイ=リース、ポール・マーティン／編集：クリス・キング／音楽：アントニオ・ピント
出演：ディエゴ・マラドーナ、ペレ、チーロ・フェラーラ、ディエゴ・マラドーナ・ジュニア、クリスティアーナ・シナグラ、クラウディア・ビジャファーネ
2019年／イギリス／130分／ビスタサイズ／5.1chデジタル／原題：DIEGO MARADONA／字幕翻訳：高橋彩／字幕監修：西部謙司
配給：ツイン
© 2019 Scudetto Pictures Limited
