おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/13は、激動の時代、懸命に生きる人々を描いた全く違うタイプの2作品を放送しました。
まずは、井筒和幸監督の8年ぶりの最新作。
生まれや貧しさゆえ社会からはじき出され、ヤクザとして生きざるを得なかった男たちが織り成す群像模様。
『無頼』
太平洋戦争に敗れ、貧困と無秩序の中、日本人は、焼け跡から立ち上がり、高度経済成長の下で所得倍増を追い、バブル崩壊まで欲望のままに生きてきました。
そして昭和が去ると共に、その勢いを止めます。
そんな時代の片隅に、誰にも頼ることなく、一人で飢えや汚辱と闘い、世間のまなざしに抗い続けた“無頼の徒”がいました。
EXILEの松本利夫さん演じる井藤正治です。
やがて井藤は一家を構え、はみだし者たちを束ねて、命懸けの裏社会を生き抜いていくのです。
一人の男が歩んできた任侠人生は、同時に、日本の戦後史でもありました。
安保闘争、東京オリンピック、オイルショック、ロッキード事件、バブル崩壊という時代の中で、銀行を脅し、政治家にお金を貸し、いかがわしい新興宗教団体の土地買い占めに協力するなど、時代の波に乗ろうと滅茶苦茶な反面、自分の欲望を叶えるため懸命に生き抜いてきた男たち。
昭和には今を生きるヒントがあるという井筒監督は「彼らが、資本主義の中で政治家や企業を巻き込んでどうやって欲望の昭和を生きたのかがテーマだ」と述べています。
と同時に、人間の黄昏をも描きだしました。
ヤクザ者たちが「自分はこういう人生を一体いつまで続けていくのか」と自らに問い、次になすべきことを探し、自分を見つめ直していくのです。
それが井筒監督なりの“昭和の決算報告”だといいます。
『無頼』は、ご覧になる年代によっていろんな観方ができる作品です。
昭和を懐かしんだり、反発したり、知らないことも沢山ありました。
見どころも数多く、沢山でてくる映画の話もその一つ。
そして、主人公の井藤の妻、姐さんを演じた柳ゆり菜さんの熱演が光りました。
若いのにすっかり姐さんとしての風格もあり、姐さんとしての品位もあるんです。
是非、注目してみて下さい。
そして注目といえば、ニッポン放送的には、石川みゆきさんと、畑中記者が!
探してみて下さいね^^
昭和の時代を生き抜いた無頼の徒の人生は、力強く今を生き抜くためのヒントを与えてくれます。
正義を語るな、無頼を生きろ。
『無頼』
12 ⽉ 12 ⽇(⼟)より Kʼs cinema ほか全国順次ロードショー
公式サイト︓www.buraimovie.jp
公式 twitter︓@buraimovie
監督︓井筒和幸
出演︓松本利夫(EXILE) 柳ゆり菜 中村達也 ラサール⽯井 ⼩⽊茂光 升毅 ⽊下ほうか
清⽔伸 松⾓洋平 遠藤かおる 佐藤五郎 久場雄太 阿部亮平 ⽕野蜂三 ⽊幡⻯
隆⼤介 三上寛 外波⼭⽂明 森本のぶ 中⼭晨輝 斎藤嘉樹
主題歌︓泉⾕しげる 「春夏秋冬〜無頼バージョン」
制作プロダクション︓サムアス24
製作・配給︓チッチオフィルム
配給協⼒︓ラビットハウス 宣伝︓エクラン 楽脳
2020 年/⽇本/146 分/カラー作品/ビスタサイズ/5.1ch/R15+
©2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム