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サンデー早起キネマ『ホテルローヤル』

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毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/15は、「自分の居場所を見つけようと奮闘する主人公」を描いたおススメの3本をご紹介しました。

2本目は、北海道の釧路湿原をのぞむラブホテルを舞台に、そこで働く人々やお客さんたちの悲喜こもごもを描いた
『ホテルローヤル』

原作は、2013年に直木賞を受賞した桜木紫乃さんの自伝的代表作です。

主人公は、波留さんが演じる雅代。
ホテルローヤルの一人娘で、美大の受験に失敗し、しぶしぶ後を継いで女将になります。
従業員は、余貴美子さん演じるミコと原扶貴子さん演じる和歌子。
雅代は、休憩時間にボイラー室で、明るく温かい2人とおしゃべりすることが救いです。
時には、換気口から漏れてくるカップルたちの話し声を聴きながら。

そして、ホテルの出入り業者、アダルトグッズ販売会社の営業・宮川には、松山ケンイチさん。雅代は、彼に淡い恋心を抱いています。

他にも、うだつの上がらない父・大吉は安田顕さん、ホテルに納入している酒屋さんと駆け落ちしてしまう母・るり子役は夏川結衣さん、お客さんには、伊藤沙織さん、岡山天音さん、正名僕蔵さんなど、脇を固める方々も個性的で演技派ばかり。

非日常を求め訪れてくるのは、ヌード写真を撮影するカップルや、子育てと親の介護に追われる夫婦、行き場のない女子高生と妻に裏切られた高校教師など、誰にも言えない秘密や孤独を抱えた人達。
ある日、一室で心中事件が起こり、ホテルはマスコミの標的に!
さらに父の大吉が病に倒れ、雅代は「ホテル、そして実感のなかった自分の人生」と初めて向き合うことになるのです。

ホテルローヤル…そこは、心も体もさらけ出し、欲望を満たすだけでなく心まで優しく満たされる場所。
そこで描かれるのは、家族、夫婦、親子…人と人との物語です。
原作者の桜木さんが小説で一番伝えたかったのは「人間って滑稽で切ないよなぁ」ということ。
その思いはスクリーンの端々からも伝わってきます。
私たちは雅代を通して、さらけ出された切ない人間模様とそれぞれの人生を目の当たりにします。
そして、家族、ラブホテルという家業、生まれ育った土地…様々なしがらみに苦しめられ、常になにかを諦めてきた雅代の人生も体験することになるのです。
それは、自分の人生ともつながり、エンディングはきっと温かな涙が頬を伝うことでしょう。
全体を漂う懐かしさと優しさ、過去と現在が繋がった時、雅代の新しい人生が始まります。
あなたも雅代と一緒に新しい一歩を踏み出してみませんか?

『ホテルローヤル』

11月13日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

公式サイト:https://www.phantom-film.com/hotelroyal/

配給:ファントム・フィルム
©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会 

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