• Facebook
  • Twitter
  • LINE

サンデー早起キネマ『ストックホルム・ケース』

  • LINEで送る

毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/8は、ベテラン俳優の演技が光る、切な~い作品を2本ご紹介しました。

まずは、名優イーサン・ホーク主演
『ストックホルム・ケース』

1937年に実際に起きた、スウェーデン史上最も有名な銀行強盗事件を元にしたクライムスリラーです。
“ストックホルム症候群”という言葉、聞いたことがあると思います。
誘拐や監禁事件で、被害者が犯人に連帯感や好意的な感情を抱いてしまう心理現象。
その言葉の語源になったのが、この作品で描かれた立てこもり事件です。
その強盗事件の真相やいかに?

主人公は、イーサン・ホーク演じる何をやってもうまくいかない悪党のラース。
憧れの自由の国アメリカに逃げようと、アメリカ人のふりをしてストックホルムの銀行に強盗に入ります。
ビアンカをはじめ3人を人質に立てこもるラース。
まずは、犯罪仲間のグンナーを刑務所から釈放させることに成功します。
続いてラースは、人質と交換に、お金と逃走車を要求。
グンナーと共に高跳びする計画でしたが、警察は彼らを銀行の中に閉じ込める作戦に打って出ます。
現場には報道陣が押し寄せ、事件は長期戦に…すると…犯人と人質の関係だったラースとビアンカたちの間に、不思議な共感が芽生え始めたのです。
銀行強盗立てこもり事件は、いったいどんな展開になっていくのでしょうか?

ユーモアを交えスリリングに描かれている事件の一部始終。
なんだかとても切ないんですよ。
お調子者でお人好し、いわゆる“いい人”なのに、とんでもない馬鹿げた罪を犯してしまうラース。
人間は相反する性質を持っているものですが、その対比のさじ加減がとんでもなく素晴らしい!
善と悪、凶暴さと優しさ、そして漂う可笑しみと哀愁…さすがイーサン・ホークです。
人質たち、特にビアンカが、なぜラースに惹かれてしまうのか…手に取るようにわかるんですよね。
人間の本質を考えさせられる作品です。

少しセピアがかったような1970年代の色合いがノスタルジックでとてもいい感じでした。
時代の象徴として流れるボブ・ディランの曲も“イカして”ます。
極限状態の中で、なぜ正反対の立場の彼らが心を通わせたのか?
人間が持つ不思議な共感能力を、是非、確かめてみて下さい。


『ストックホルム・ケース』

11月6日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿、UPLINK吉祥寺ほか

公式サイト:http://www.transformer.co.jp/m/stockholmcase/
Twitter:@stockholmcase

監督・脚本:ロバート・バドロー(『ブルーに生まれついて』)製作:ジェイソン・ブラム『ゲット・アウト』
劇中歌:ボブ・ディラン 音楽:スティーブ・ロンドン(『ブルーに生まれついて』)
出演:イーサン・ホーク、ノオミ・ラパス、マーク・ストロングほか
2018年 / カナダ・スウェーデン / 英語・スウェーデン語  / 92分 / シネスコ / カラー /
原題:STOCKHOLM / 日本語字幕:安藤里絵
提供:ハピネット、トランスフォーマー 配給・宣伝:トランスフォーマー
Ⓒ2018 Bankdrama Film Ltd. & Chimney Group. All rights reserved.

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >