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サンデー早起キネマ『おらおらでひとりいぐも』

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毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/1は、“自分らしく生きる女性”が主人公の全く違うタイプの作品を2本ご紹介しました。

2本目は、ユーモアたっぷりに描くおひとり様となった老後の人生
『おらおらでひとりいぐも』

もうお分かりですね。
原作は、63歳の新人作家として注目を浴び、史上最年長で文芸賞、そして芥川賞とダブル受賞した若竹千佐子さんの同名の小説。
ユニークな小説を、これまたさらに温かいユーモアあふれる演出で映像化したのは、沖田修一監督。
『モリのいる場所』もとっても好きでしたし、今後公開される予定の『子供はわかってあげない』も本当に楽しみな監督さんです。

主人公は、1964年日本中に響き渡るオリンピックのファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京してきた桃子さん。
あれから55年。結婚し子供を育てあげ、夫と2人、夫婦水入らずの平穏な毎日を過ごせると思っていた矢先、突然夫に先立たれ、ひとり孤独な日々を送ることに。
寝床から起きだして、朝ご飯を食べ、テレビに向かってぶつぶつ独り言をつぶやき、昼ご飯を食べ、近所を散歩して、夕ご飯を済ませて寝る…時には病院に行くけれど毎日同じことの繰り返しです。
ある時、いつものように図書館で本を借り、地球46億年の歴史をノートに綴っていると、桃子さんの心の声=寂しさ達が3人、セッションをするように音楽にのって内から外から湧き上がってきたのです!
彼らと話していると、遠い昔のことが次々と思い出されてきます。
そして桃子さんは心の旅に出るのです。
行きつく先にはどんな世界が待っているのでしょうか?

現在の75歳の桃子役は、田中裕子さん。
孤独だけれど自分があって芯が強い、でも、優しくたおやかな桃子は田中裕子さんしかいません。
そして、田舎を飛び出し恋愛結婚した若かりし日の桃子には、蒼井優さん。
75歳の桃子の心の声も蒼井さんです。声のトーンといいホンワカした感じと言いピッタリです。
そして、突如亡くなってしまった夫は、東出昌大さん。

さらに、桃子の心の声=寂しさトリオは、濱田岳さん、青木崇高さん、宮藤官九郎さん。
面白くないはずがないでしょう!
演じる楽しさが、スクリーンからジャンジャン伝わってきます。

ユーモラスな手法で映像化される桃子さんの心の中を覗き込んでいるうちに、自分や自分の大切な人と重なってきます。
桃子さんと同世代の方は“あるある”と思うでしょうし、もう少し下の世代は自分の母親を、さらに若い世代はおばあちゃんのことを思うでしょう。
ただ一つ言えるのは、どんな世代の方が見ても「ああ大丈夫!歳をとるのも悪くないですよね」ってきっと思えるはず。
♪おらおらでひとりいぐも~♬と、謳いたくなるような気分になります。

ひとりでもにぎやか!
孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんのささやかで壮大な1年の物語は、きっとあなたの背中を押してくれることでしょう。
♪あなたは自分の人生を思うように生きていいんだよ♬
 

『おらおらでひとりいぐも』

11月6日(金)公開

公式サイト:https://oraora-movie.asmik-ace.co.jp/ 
公式Twitter:@oraora_movie

田中裕子
蒼井 優 東出昌大/濱田 岳 青木崇高 宮藤官九郎
田畑智子 黒田大輔 山中 崇 岡山天音 三浦透子/六角精児 大方斐紗子 鷲尾真知子

原作:若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(河出文庫)
監督・脚本:沖田修一 音楽:鈴木正人 主題歌:ハナレグミ「賑やかな日々」(スピードスターレコーズ)
撮影:近藤龍人 照明:藤井勇 美術:安宅紀史 録音:矢野正人 編集:佐藤崇
VFXスーパーバイザー:オダイッセイ アニメーション:四宮義俊 フードスタイリスト:飯島奈美 
製作:『おらおらでひとりいぐも』製作委員会 
配給:アスミック・エース 
© 2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

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