• Facebook
  • Twitter
  • LINE

サンデー早起キネマ『パピチャ 未来へのランウェイ』

  • LINEで送る

毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/1は、“自分らしく生きる女性”が主人公の全く違うタイプの作品を2本ご紹介しました。

まず1本目は、スクリーンからほとばしる彼女たちのエネルギーに圧倒される、実話をもとに生まれた作品
パピチャ 未来へのランウェイ』

“パピチャ”とは、アルジェリアのスラング=俗語で「愉快で魅力的で常識に囚われない自由な若い女性」という意味です。
そう!舞台は北アフリカのアルジェリア。
時は、イスラム原理主義の武装勢力が台頭しテロが頻発、内戦に明け暮れ、15万人もの命を失った“暗黒の10年”と言われる1990年代です。

主人公は、ファッションデザイナーを夢見る大学生のネジュマ。
華やかでおしゃれなドレスを作っては、ナイトクラブで女の子たちに販売しています。
しかし、イスラム原理主義が台頭してきたアルジェリアでは、全身を黒で覆うヒジャブを着用するよう強制するポスターが至るところに張られています。
しかし、イスラム過激派の理不尽な強制に従うことを拒むネジュマは、ある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、命がけでファッションショーを開くことを決意するのです!
果たしてファッションショーは成功するのか?パピチャたちの未来は?

監督は、アルジェリアでこの時代を過ごしましたが、他の文化人同様、映画監督だった父も殺すと脅され、家族でフランスに逃れたという女性ムニア・メドゥール氏。
「パピチャたちが大学の構内で体験することは、当時の現地の女の子がみんな経験してきたこと。女性の体に黒いベールをかけて家に押し込め、あらゆる場面で抑圧された」といいます。
作品の中でも、女性であるがゆえに虐げられ危険な目にあう場面が沢山出てきます。
さらには、内紛が終わり20年が経った今でも女性の地位は変わらず、この作品はアルジェリアでは上映できないままなのです。

肌や髪の毛を露出することを禁じ、ヒジャブの着用を強制する社会。
恐ろしい暴力や命の危機に直面しながらも、自分たちの信条を貫き、キラキラと前向きに生き抜いた女の子たちがいたんだという事実に本当に驚きました。

常に、周りと社会と戦っている、いえ戦わざるを得ない彼女たちのパワーはどこからくるのか?
不安定な状況の中でも自由を求め、常に自分らしく生きたいという思いがそうさせているのかもしれません。
性別も人種も関係なく、誰もが自由に自分らしく生きられる日への第一歩…あなたもパピチャたちの情熱を見届けませんか?内から突き動かされるような熱いものが湧いてくること間違いなしです!

『パピチャ 未来へのランウェイ』

10月30日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー

公式サイト:https://papicha-movie.com/

© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE
PICTURES – TRIBUS P FILMS –– JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >