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サンデー早起キネマ『ストレイ・ドッグ』

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毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/25は、3つの国の名作を3本ご紹介しました。

2本目はアメリカです。
こんなニコール・キッドマン、観たことがありません!
迫真の汚れ役『ストレイ・ドッグ』

主人公は、ロサンゼルス市警の女性刑事エリン・ベル。
若き日の美しさは遠い過去となり、今は酒に溺れ、市警の同僚や別れた夫、16歳の娘からも疎まれる孤独な日々を送っていました。
そんなエリンの元に、ある日、差出人不明の封筒が届きます。
17年前、エリンは、FBI捜査官クリスと共にある犯罪組織で潜入捜査をしていましたが、取り返しのつかない過ちを犯して捜査は失敗。今も罪悪感に苛まれています。
送られてきた封筒の中身は、紫色に染まった1枚のドル紙幣。
それはかつて逃した組織のボスから届いた挑戦状だったのです。
その目的は復讐か贖罪か…
忘れられない過去の出来事に決着をつけるため、犯人を追う一匹の野良犬=ストレイ・ドッグと化したエリンは、再び灼熱の荒野へと車を走らせるのですが…。

この作品の一番の魅力は、ズバリ、ニコール・キッドマンです。
陶器のような真っ白な美しい肌に端正な顔立ち、美人の代名詞でもありますが、今回の役はすごい!
そばかすだらけの荒れはてた肌に疲れ切った真っ黒な目の下のクマ。
過去に苛まれ、酒におぼれ、みんなに疎まれるという役どころ。
脚本に惹かれてこの作品への参加を決めたキッドマンが最初に言ったのは、「スクリーン上で、私自身を観てほしくない」ということでした。
特殊メイクを施され「信じられないほど自分から解放された」キッドマンは、エリンになりきることができたのです。
彼女の演技を最大限に生かし支えた監督も撮影監督も女性。
女性の力が集結した作品です。

数々の名シーンがありますが、昔の潜入捜査時代の犯罪組織の仲間で、ボスの女ペドラとエリンの小気味よいほどの取っ組み合いに特に惹かれました。

「この作品の核となるメッセージは、自身の過ちと向き合いその行いに対して責任を取ること」とカリン・クサマ監督が述べていますが、誰にでも通じるところがあるのでは?
善悪の境界線上で身も心も引き裂かれる一人の女性の過酷な運命。
なかなか出来上がらないパズルが、カチッとハマったようなラストシーンは圧巻です。

『ストレイ・ドッグ』

10月23日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開

公式サイト:https://www.destroyer.jp/

フィルムデータ:2018年|アメリカ|英語|カラー|スコープサイズ|DCP|
上映時間:121分
原題:DESTROYER
レイティング:PG12
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
ⓒ 2018 30WEST Destroyer, LLC.

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