毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/25は、3つの国の名作を3本ご紹介しました。
まずはヨーロッパ!ドイツとイギリスの驚きの実話
『キーパー・ある兵士の奇跡』
イギリスの名門サッカークラブ“マンチェスター・シティFC”の往年ゴールキーパーで、大英帝国勲章も受賞したバート・トラウトマン。
ヨーロッパのサッカーがお好きな方はご存知かと思います。
実は彼は、ナチスの兵士だったのです!
なぜ彼が敵国イギリスの英雄になりえたのか?
とても実話だとは信じられないドラマティックで波乱万丈な人生です。
物語の始まりは第二次世界大戦の終わり1945年。
ナチスの兵士だったトラウトマンは連合国軍の捕虜となり、イギリスの収容所にいました。
そこでサッカーをしていた時、偶然、地元弱小チームの監督の目に留まり、ゴールキーパーとしてスカウトされます。
トラウトマンの大活躍でチームは強くなり、やがて監督の娘マーガレットと結婚。
そして周りの勧めで“マンチェスター・シティFC”の入団テストを受け見事合格します。
しかし、ユダヤ人が多く住むマンチェスターの街で、夫妻は想像を絶する誹謗中傷を浴びるのです。
それでも、トラウトマンはゴールを守り抜き、マーガレットは夫を信じ続けました。
やがて彼の命がけの活躍で、世界で最も歴史ある大会でチームが優勝!国民的英雄となります。
しかし、そんな栄光の裏で、誰にも打ち明けられない“過去”を抱えていたトラウトマン。
そしてその“秘密の過去”が思わぬ運命を引き寄せてしまうのです…。
こんなすごい話なのに、サッカーファン以外にはドイツでもあまり知られていなかったそうです。
誰もが憎んでいる敵国のナチス兵が、スポーツのおかげで国民的なヒーローになる…この驚きの事実の裏には、罪を認め謝罪した人とその謝罪を受け入れた人がいたのです。
謝罪を受け入れ許すことで物事が動き始めるんですよね。
人として何を信条とするのか?考えさせられました。
そして、頑張っている人をちゃんと見ていてくれる人がどこかに必ずいる…人間っていいなと思わせてくれました。
どんな憎しみも悲しみも、自分の生き方ひとつで愛に変えることができるという希望ももらえます。
『キーパー・ある兵士の奇跡』
10月23日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/keeper/
2018年/イギリス・ドイツ/英語・ドイツ語/119分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:The Keeper/日本語字幕:牧野琴子
監督:マルクス・H・ローゼンミュラー
出演:デヴィッド・クロス『愛を読むひと』
フレイア・メーバー『サンシャイン/歌声が響く街』
ジョン・ヘンショウ『天使の分け前』
デイヴ・ジョーンズ『わたしは、ダニエル・ブレイク』
配給:松竹
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