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サンデー早起キネマ『82年生まれ、キム・ジヨン』

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毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/11は、妻・女性が主人公の作品を2本ご紹介しました。

1本目は、原作が韓国で異例のベストセラーとなった作品

『82年生まれ、キム・ジヨン』

原作は、チョ・ナムジュ氏の同じタイトルのベストセラー小説。
2016年に韓国で出版され130万部という驚異の数字を残しました。
日本では2018年に翻訳され、海外文学としては異例の20万部を突破。
読んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか?私も原作を読みました。

主人公は、タイトル通り1982年生まれのキム・ジヨン。
韓国で一番多い苗字はキムさん、ジヨンは82年に生まれた女の子で一番多い名前です。
つまり、キム・ジヨンは、韓国の平均的な女性の象徴なのです。

結婚・出産を機に仕事を辞め、家事と育児に追われるジヨン。
常に誰かの母であり誰かの妻である彼女は、どうにもならない閉塞感の中にいます。
そんな彼女を心配している夫のデヒョンの悩みは深刻。
なぜなら、ジヨンは時々、他人が憑依したような言動をとるようになったからです。
お正月、デヒョンの実家に帰った時、ジヨンは自分の母親が乗り移ったようになり、デヒョンの母親に向かってこう言います。
「お正月くらい娘のジヨンを私の元に返して下さい。」
子どもが寝た後のある夜は、すでに亡くなっている2人の共通の女友達になり、デヒョンにアドバイス。
「体が楽になっても気持ちが焦る時期よ。ジヨンにお疲れ様って言ってあげて。」
困ったことに、ジヨンは誰かになっている時の記憶が全くありません。
デヒョンは、妻を傷つけるのが怖くてそのことを告げられず、一人で精神科に相談に行くのですが…。

ジヨンを等身大で演じたのは、チョン・ユミ。夫デヒョン役は日本でも大人気のコン・ユ。
2人は日本でもヒットした映画『トガニ 幼き瞳の告発』『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続いて3度目の共演です。


ジヨンは突然おかしくなってしまいますが、作品の中で彼女の人生が紐解かれていくうちに、彼女の心はなぜ壊れてしまったのか…積もり積もった理由がわかってきます。
部屋に張った世界地図を見て夢を膨らませた子供の頃、
女性という性を意識せざるを得ず、生き難いと感じ始めた少女時代、
努力して勝ち取った大学入学と就職の厚い壁、
結婚・出産で会社を辞め社会から切り離されたと感じた日々、
そして、困難な再就職…
ジヨンの身に起こったことは、もちろん国や時代によっても差はありますが、女性なら誰でも、1つや2つ、いやもっともっと、経験してきたことなのです。

ジヨンの姿に「ああ、あの時の私がいる」と思う女性は、私だけではないはずです。
もしかしたら、自分の心の奥に押し込めていた“あの思い”がよみがえってくるかもしれません。辛いこともあるでしょう。
でも、どうぞ、あの時の自分を抱きしめてあげて下さい。そうしたら未来への希望がきっと見つかります。
原作と結末がちょっと違うことに救われました。
私だけじゃない、あなただけじゃない…大丈夫、一人じゃないから…


『82年生まれ、キム・ジヨン』

新宿ピカデリー他 全国ロードショー中

公式サイト:http://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/

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