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サンデー早起キネマ『望み』

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毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/4は3本ご紹介しました。

3本目は、雫井脩介氏のベストセラー小説の映画化

『望み』

雫井氏が執筆時に最も苦しみぬいたという渾身のサスペンスは、2016年出版されるとブックレビューサイトで読者満足度100%という驚異の数字を叩きだしました。

建築家として成功した頼りがいのある父、家で編集の仕事をする優しい母、サッカーに打ち込む人気者の高校生の息子、成績優秀でいつも明るい中三の娘。
誰もがうらやむ幸せを絵にかいたような一家が変わってしまったのは、息子がケガをしてサッカー選手になる夢を諦めてからです。
親に反抗的な態度をとり、夜遊びをするようになった息子が、ある日突然姿を消し、その日に彼の友人が死体で発見されます。
その事件には「3人の少年が関わっていて、もう1人殺された」という噂も広まります。
その日から、世間からの誹謗中傷、職場や近隣の人々の手のひら返し、マスコミの容赦ない追及と、経験したことのない苦しみの日々が始まります。
たとえ被害者になっても無実であって欲しいと願う父、殺人犯でも生きていて欲しいと願う母、兄のことは大好きだけど自分の将来が壊されることを恐れる妹。
父、母、妹…それぞれの“望み”が交錯していきます。
果たして息子は、被害者なのか?加害者なのか?家族が行きつく先は?

父親役は堤真一さん、母親は石田ゆり子さん、失踪した兄は岡田健史さん、そして妹には清原果耶さん…なんて完璧な家族なんでしょう。
だからこそ、兄が失踪してからの世間の冷たさが余計に際立ちます。
今の世の中そのもの。何か事件が起きると、匿名で憶測をインターネットに書きこみ、いたずら電話や家に落書きをする…正義を振りかざして、“当事者でもないのに誰かを責める”という別の事件が起きてしまうのです。
でも、いつでも誰にでも、そんな加害者の一人になってしまう可能性はあるんですよね。

メガホンをとったのは、トリックシリーズやスペックシリーズ、人魚の眠る家の堤幸彦監督。
ストレートにシンプルに家族の心を抽出…だからこそ、エンディングは涙なしには見られません。
家族の本質、人とのつながり、社会の問題、いろいろありますが、そのベースには大きな愛・望みがあるから救われるのかもしれません。


『望み』
   

10月9日(金)公開

公式サイト:nozomi-movie.jp 

出演:堤真一 石田ゆり子
岡田健史/清原果耶
加藤雅也/市毛良枝/松田翔太/竜雷太
監督:堤幸彦
原作:雫井脩介「望み」(角川文庫刊)
脚本:奥寺佐渡子
配給:KADOKAWA

Ⓒ2020「望み」製作委員会

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