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サンデー早起キネマ『スパイの妻<劇場版>』

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毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/11は、妻・女性が主人公の作品を2本ご紹介しました。

2本目は、太平洋戦争開戦間近の日本を舞台にした超一級の歴史ドラマであり最高のサスペンス

『スパイの妻<劇場版>』

ちょうど番組中に一報が入ってきて速報でお伝えしましたが、第77回ヴェネチア国際映画祭で、銀獅子賞・監督賞を受賞した作品です。

時は1940年、舞台は関西・神戸。
貿易会社を営む優作は、時代に流されることなく自分の美学のもと、会社を経営していました。
ある日、物資を調達するため満州を訪れた優作は、偶然、恐ろしい国家機密を知ってしまいます。
そして、正義のため、その事実を国際社会に知らしめようと決心します。
妻である聡子は、反逆者と疑われる夫を信じ、スパイの妻と罵られようとも、その身が破滅することも厭わず、ただ愛する夫と共に生きることを心に誓います。

時代に翻弄される夫婦の姿と、スピーディな展開、「え??そうだったの?」と裏切られるどんでん返しに次ぐどんでん返し。
作品の持つ力に圧倒されて、観終わってしばらくは呆然としてしまいました。
太平洋戦争に突入していく時代を生きる夫婦を、生き生きと演じたのは、蒼井優さんと高橋一生さん。
貿易会社の社長の妻で、お手伝いさんや運転手さんもいるお屋敷に住み、おしゃれな洋服を着こなし、ワイン片手にフォークとナイフで夕食をとる…そんな聡子の人生が、思いもかけない方向にどんどん進んでいってしまう様子。
スリーピースの素敵なスーツ姿のジェントルマンの夫が、知ってしまった事実から向かう先。
お二人とも素晴らしい迫力ある演技で、すべてを表現していました。

他にも、聡子の幼馴染で憲兵分隊長の泰治役に、東出昌大さん。
優作と共に満州に行った甥っ子・文雄は坂東龍汰さんなど、実力派揃いです。

黒沢清監督は、「1940年代前半の日本はいったいどのような狂乱に支配されていたのか、それをありありと再現することの難しさを最初から覚悟していた」と述べています。
さらに「映画作りの緊張と喜びを感じ」「現代日本映画は未知の可能性を秘めているようだ」とも。
作中、蒼井優さんが発する「お見事です」というとても印象深いセリフがあるのですが、本当にその通りの作品でした。
お見事です!

正義を貫くためには誰かを陥れなければならない、愛を貫くためには誰かを裏切らなければならない…昭和初期の日本を舞台に、愛と正義をかけた超一級のサスペンス。
2人が行きつく先に待っているものとは?
2人と一緒にあの時代にタイムスリップしませんか?

『スパイの妻<劇場版>』

10月16日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!

公式サイト:wos.bitters.co.jp

蒼井優 高橋一生 坂東龍汰 恒松祐里 みのすけ 玄理 東出昌大 笹野高史

監督:黒沢清
脚本:濱口竜介 野原位 黒沢清
音楽:長岡亮介
配給:ビターズ・エンド
配給協力:『スパイの妻』プロモーションパートナーズ
©2020 NHK, NEP, Incline, C&I
2020/日本/115分/1:1.85 映倫G

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