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サンデー早起キネマ『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』

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「サンデー早起キネマ」でご紹介した作品をブログでも味わって頂きます!

今週ご紹介したのは、フランスから届いたとても大切な問題を扱った、それでいてとても愛おしい作品。副題に作品のすべてが集約されています。

『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』

監督は、エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの二人。
そう!フランスで年間興行ランキング№1を獲得し、日本でも大ヒットした『最強のふたり』の監督の最新作です。

今回もモデルは実在する二人の男。
自閉症の子供たちをケアする団体【正義の声】を運営しているブリュノと、彼の友達で、ドロップアウトした若者たちを社会復帰させるための団体【寄港】を運営しているマリク。
ブリュノはどんな問題を抱えていても断らないので、施設は各所で見放された子供たちでいつも溢れていました。
そこで子供たちの面倒をみているのは、【寄港】で教育された若者たち。
黙っていれば強面のふたりですが、「何とかする」という口癖と大きく包み込む笑顔で、社会から弾かれた自閉症の子供たちとドロップアウトした若者たちをまとめて救おうとしているのです。
しかし、ある日、【正義の声】に監査局の調査が入ることに!
こりゃ~、大変!
法律より子供たちの幸せを優先しているブリュノの施設は、赤字経営で無認可。役人に叩かれれば山のようにホコリが出る状態だったのです。
さらに、監査の最中、重度の自閉症のヴァランタンが失踪するという事件が起きてしまいます。
施設はこのまま閉鎖に追い込まれてしまうのか?施設がなければ生きられない子供たちの未来はどうなってしまうのか?

主人公はとてつもなく早口ですし次から次へと事件が起きます。
目が回るようなスピード感あふれる展開に、実際の彼らがどんなに大変な毎日を送ているのかということがすぐにわかります。

そして、その出来事一つ一つに臨場感があって、ドキュメンタリーを見ているようです。
それもそのはず、自閉症の子供と俳優ではない人を何人かキャストに起用しているのです。
ヴァランタン役は、弟が重度の自閉症だというマルコ。
「この映画に参加することで、弟に少しでも寄り添えるかもしれない。彼のことを愛せるようになるかもしれない」という思いでオーディションを受けました。
また、お茶目なジョゼフは、自閉症のベンジャミンが演じました。
一生懸命でちょっとズレている彼の行動が愛おしくて、つい笑顔がこぼれます。

ブリュノ役の名優ヴァンサン・カッセルは「この作品は自閉症についてではなく、他人への愛、そして献身について描いた映画だ」と言っていますが、本当にその通り!
なぜ、あそこまで他人のために奔走し、一生懸命になれるのか…今の世の中に必要なことを教えてくれます。
辛い涙の裏にはいつも笑いがある…強面に隠されたふたりの男の愛がスクリーンから溢れてきます。




『スペシャルズ!~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』


9月11日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー

公式サイト:https://gaga.ne.jp/specials/

出演:ヴァンサン・カッセル『ブラック・スワン』 レダ・カテブ『ゼロ・ダーク・サーティ』 、エレーヌ・ヴァンサン
監督・脚本:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ『最強のふたり』 
制作:ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ『最強のふたり』『スターリンの葬送狂騒曲』
原題:Hors Normes(英題:The Specials)/2019年/フランス/114分/フランス語/カラー/シネスコ/
字幕翻訳:丸山垂穂 配給:ギャガ

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