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サンデー早起キネマ『ポルトガル、夏の終わり』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂くサンデー早起キネマ。

今回は、フランスが誇る女優イザベル・ユペールが女優を演じる静かな感動作
『ポルトガル、夏の終わり』

主人公は、ヨーロッパを代表する女優フランキー。
彼女は自分の余命があとわずかだということを知っています。
そして最後の夏を一緒に過ごそうと「この世のエデン」と呼ばれるポルトガルの世界遺産の街、シントラに一族と親友を呼び寄せます。
自らの死を悟った彼女は、自分が亡きあとも愛する者たちが問題なく暮らしていけるようすべての段取りを整えようとしていたのです。
フランキーを深く愛している二度目の夫ジミー。
最初の夫で、フランキーとの離婚後、自分が同性愛者だと気づいたミシェル。
ミシェルとの息子ポールはニューヨークへの移住が決まっていますが、どこか頼りない風情。

そしてジミーの連れ子、フランキーにとっては義理の娘シルヴィアは、夫と娘を連れてきましたが、夫との離婚を望んでいます。
さらにはフランキーが仕事で最も信頼している年下の友人、メイクアップアーティストのアイリーンは恋人と一緒にやってきました。
フランキーは息子のポールとアイリーンが結ばれてくれればと思っていますが…。

それぞれに問題を抱えた家族たちの選択は、次第にフランキーが思い描いていた筋書きから大きく外れていくのです。
一族の夏の終わりの旅は、それぞれどこに行きつくのでしょうか?

この作品の魅力は、何と言ってもこの物語の舞台、ポルトガルの美しい街シントラ。
とにかく色がきれい!海の青、空の青、森の緑、夕焼けの赤…そんな自然になじむ宮殿や教会、石畳の道、すべてが美しく心奪われます。

美しいシントラの町での、朝から夕暮れまでの、それぞれの一日を描いた物語。
たった十数時間の出来事なのに、しみじみと、胸に沁みます。
夏の終わり、人生の終わりを感じるからでしょうか…。
でも、終わりは必ず始まりをも意味していることにも気づかされるのです。

『ポルトガル、夏の終わり』

8月14日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

公式サイト:https://gaga.ne.jp/portugal/

Ⓒ2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FÚRIA 
Ⓒ2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions

配給:ギャガ

監督・脚本:アイラ・サックス『人生は小説よりも奇なり』
出演:イザベル・ユペール『エル ELLE』、ブレンダン・グリーソン『ロンドン、人生はじめます』、マリサ・トメイ『人生は小説よりも奇なり』、ジェレミー・レニエ『2重螺旋の恋人』
原題:FRANKIE/2019/フランス・ポルトガル/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1chデジタル/100分/字幕翻訳:松岡葉子

 

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