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サンデー早起キネマ『おかあさんの被爆ピアノ』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

原爆の日があり、終戦記念日がある8月は、日本にとって決して忘れてはならない特別な月ですよね。
今回は、第二次世界大戦、それも原爆に関する、全く違うタイプの作品を2本ご紹介しました。
一本目はイギリスを舞台にした作品でしたが、二本目は日本。広島が舞台です。

『おかあさんの被爆ピアノ』

今年は、戦後75年、つまり被爆から75年です。
あなたは“被爆ピアノ”をご存知ですか?
耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
昭和20年8月6日、広島に投下された原爆の爆心地から3キロ以内の至近距離で被爆し、奇蹟的に残ったピアノのことです。
被爆二世のピアノ調律師・矢川光則さんが、できるだけ元の部品を生かして修理し、自らトラックを運転して全国を回りながら平和コンサートを続けていらっしゃいます。
この作品は、そんな命の大切さを奏でる平和の音色として現役で活躍している被爆ピアノを巡る物語です。

主人公は東京で生まれ育った女子大生・菜々子。
幼稚園教諭を目指してはいますが、将来についてはまだ漠然としています。
ある時、菜々子は被爆ピアノの一台を母が寄付したことを新聞記事で知り、被爆ピアノのコンサートに行って矢川さんと出会います。
そして、矢川さんの活動を通して、広島にいた祖母のこと、広島を出てきた母のこと、なぜ母が被爆ピアノのことを自分に話してくれなかったのか…など、自分のルーツについて考えるようになります。
被爆ピアノに引き込まれた菜々子は、何を見つけ、何を得ることができるのでしょうか…。

矢川さんを演じたのは、佐野史郎さん。
淡々とした中に見える優しさ、被爆地に生まれた者として伝えていかなければならないという静かな強い意志がスクリーンから伝わってきます。
菜々子役は、AKB48の神セブン、武藤十夢さん。
被爆ピアノとの出会いで自分のルーツと向き合うようになる菜々子をフレッシュに繊細に演じました。
菜々子の母親は森口瑤子さん、父親は宮川一朗太さん。とても素敵な夫婦でした。

監督は、矢川さんのドキュメンタリー番組を作った五藤利弘さん。
「今まで当たり前のように享受してきた平和は、ずっと維持しようと思い続けないとなくなってしまうのではないか」という思いからこの作品を作ったといいます。
時間が経てばたつほど、事実は遠い歴史に変わってしまいます。
でも、こうして、忘れないこと、記憶し続けること、語り継いでいくことがどれだけ大切なのかを改めて感じることができました。
だからこそ、多くの方にこの作品を観て頂き、自分のこととして考えて頂きたいと心から思いました。

『おかあさんの被爆ピアノ』

7月17日(金)より広島県先行公開
8月8日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

公式HP:hibakupiano.com

配給:新日本映画社
© 2020映画「被爆ピアノ」製作委員会

出演:佐野史郎 武藤十夢(AKB48) 森口瑤子 宮川一朗太 大桃美代子 南壽あさ子 ポセイドン・石川 谷川賢作 鎌滝えり
監督・脚本:五藤利弘 脚本協力:渡辺善則 黒沢久子 エグゼグティブ・プロデューサー:大橋節子 染谷明 牛山大 
ゼネラルプロデューサー:城之内景子 プロデューサー:伍藤斗吾 協力プロデューサー:狩野善則 小林良二 小竹克昌
美術:部谷京子 主題歌:南壽あさ子 音楽:谷川賢作 制作プロダクション:OneScene
2020年/日本/DCP/カラー/ステレオ/111分/G

 

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