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サンデー早起キネマ『グランド・ジャーニー』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

この作品をどんなふうに紹介しようかと考えると、素晴らしい映像が瞼に浮かび、胸がいっぱいになって涙がこぼれそうになる壮大な物語

『グランド・ジャーニー』

<人間が一緒に空を飛び、渡り鳥に“渡り”を教える>という驚くべき実話が元になっています。
そのモデルは、気象学者であり鳥類保護活動家のクリスチャン・ムレク氏。
雁に渡りを教えるというプロジェクトに取り組み、2000年に33羽のカオジロガンとの渡りを初成功させました。
それ以来、渡り鳥の保護と繁殖、飛来ルートの指導に人生を捧げています。
この作品にも、脚本・雁担当・飛行担当として参加しました。

舞台はフラミンゴの飛来地でありユネスコの自然保護区に指定されているフランス・カマルグ。
そこで渡り鳥の雁を研究しているのが風変りな気象学者のクリスチャン。
超軽量飛行機を使って、絶滅危惧種の渡り鳥にノルウェーのラップランドからここまでの安全なルートを教えるという、誰もが無茶だと呆れるプロジェクトに夢中です。
そんな変わり者の父親のもとに、離婚した妻と一緒に暮らしている息子トマがやってきます。
母親の仕事が忙しくなるからと、夏休みの間、大自然の中で研究に勤しむ父親に預けられたのです。
思春期のトマはオンラインゲームに夢中。カマルグにはWi-Fiもないと不満たらたら。
しかし、ある出来事をきっかけに、その無謀なプロジェクトに協力することになったトマ。
こうして父と息子と渡り鳥たちの驚くべき冒険が始まります!

とにかくとにかく映像が素晴らしいのです。
雁たちとトマが超軽量飛行機で飛ぶ映像は、まるで自分も一緒に空を飛んでいるようです。
遥か下に見える山や海、川、湖…鳥たちの目にはこんな風に映っているのだと感動します。
そして最初は頼りなげに、だんだん自信を持って飛ぶようになる雁たちの可愛いらしいこと!

冒険家、小説家、写真家でもあるニコラ・ヴァニエ監督は、こんな風に述べています。
「できるだけ多くの人に世界の美しさを見せて伝えることが重要だ。なぜなら、人は愛するものを守りたいと思うから。もし人が自然を愛することができたら、自然を守るために進んで行動するようになると信じている」と。
この作品の中で、大きく優しく厳しい…あんなに壮大な自然の姿を観せられて、自然を愛さない人がいるのだろうかと思いました。
でもその自然は、今や人間の経済活動や気候変動のために刻々と犯され、絶滅の危機にある渡り鳥は、人間が教えなければ安全に渡りができないのです。
だからこそ、一人でも多くの方に、大スクリーンであの空からの風景をご覧頂きたいのです。

雁の渡りを通して、自分も大空に羽ばたくように成長していくトマの姿、そして、父と子の、いえ、母も含めた家族の再生に、爽やかな涙が流れることでしょう。
私も大好きな「ニルスの不思議な旅」を地で行くような素晴らしい経験ができます!

『グランド・ジャーニー』

7月23日(木・祝)新宿バルト9ほか全国ロードショー

公式サイト:http://grand-journey.com/

2019 年/フランス・ノルウェー/スコープサイズ/DCP5.1ch/113 分/原題: DONNE MOI DES AILES/字幕翻訳:横井和子/映倫区分:G
配給:クロックワークス 
後援:WWF ジャパン、日本自然保護協会、日本国際湿地保全連盟

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