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サンデー早起キネマ『グッド・ワイフ』

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番組でご紹介した作品をブログでも味わって頂く「サンデー早起キネマ」

今回は、メキシコから届いた上流階級のセレブ妻たちの光と影
『グッド・ワイフ』

裕福な夫に依存し、表面だけの人間関係を築き、頼りなく助けが必要な存在…それがグッド・ワイフです。

時は1982年。舞台はメキシコシティの高級住宅地ラスロマス。
主人公ソフィアは、実業家の夫と3人の子供と共に、プール付きの美しい豪邸で満ち足りた生活を送っていました。
「どこで買ったの?」と必ず聞かれるドレスや靴、素敵なヘアスタイル、高級車、毎日のように会員制のクラブで楽しむテニスとランチ、時にはホームパーティー。
セレブ妻たちのコミュニティで、取り巻きに囲まれ女王のごとく君臨していた彼女は、最近仲間入りした証券会社の社長の妻で、あか抜けないアナ・パウラが疎ましく、内心馬鹿にしていました。

しかし、そんなソフィアの女王の座も完璧な世界も、ガラガラと崩れ始めます。
歴史的なメキシコの経済危機が富裕層を直撃!
夫の会社が立ちいかなくなり…
アッパークラスの主婦たちの生き残りをかけた激しいマウンティング合戦。
彼女たちは何を手に入れ、何を失ってしまったのでしょうか?

80年代の華麗なる最先端ファッションも見どころの一つ。
ファッションは、少しでも上の立場を取ろうとするマウンディングには欠かせないものです。
一流ブランド品やニューヨークで仕立てたドレス、肩パット入りの勝負服。
さらには当時流行したフィラのテニスウェア…自己顕示欲のぶつかり合いを華麗に豪華に見事に表現しています。

セレブ妻の世界の恐ろしさといったら…表面上は仲良しを装っていても、陰では悪口大合戦。
“どんなことでも優位でいたい”のです。
「女は誰でもお姫様を夢見ているのよ」というアナ・パウラのセリフが印象的です。
新進気鋭の女性監督アレハンドラ・マルケス・アベヤは「経済危機から40年近くが経っても、メキシコの上流階級の女性はほとんど変わっていない」といいます。
つまりグッド・ワイフ=彼女たちの争いは、現代女性にとっての愛や結婚、アイデンティティへの問いかけなのです。

裕福であることを拠り所としていた女性が、破産したら…その先には何が待っているのか?
あなたの目で確かめて下さい。

『グッド・ワイフ』

7月10日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

公式サイト:http://goodwife-movie.com/

監督・脚本:アレハンドラ・マルケス・アベヤ 原案:グアダルーペ・ロアエサ
出演:イルセ・サラス、カサンドラ・シアンゲロッティ、パウリーナ・ガイタン、ジョアンナ・ムリーヨ、フラビオ・メディナ
2018年/メキシコ/スペイン語/100分/カラー/シネスコ/5.1ch
原題:Las Niñas Bien  字幕:大西公子 後援:在日メキシコ大使館 配給:ミモザフィルムズ
© D.R. ESTEBAN CORP S.A. DE C.V. , MÉXICO 2018       

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