11月10日(日)の放送では日本栄養士会災害支援チーム、総括責任者の下浦佳之さんに「被災地での支援物資」についてお話をお伺いしました。
淵澤 前回の放送では、台風の被災地に支援物資として届けた
「液体ミルク」が大変喜ばれたというお話をお伺いしました。
「液体ミルク」をはじめとする支援物資は、
どのように調達されるんですか?
下浦 日本栄養士会が設置する特殊栄養食品ステーションというのが
ございまして。
そこに液体ミルクや、それ以外の支援物資が送られるわけでござい
ます。ある程度は、私共の事務局内にストックしてあるんですが、
今回のような広範囲の場合はすぐさまメーカー様に依頼して
届けてもらいます。
淵澤 支援物資を届ける際、どのようにして届けているんですか?
下浦 特殊栄養食品ステーションというのは、被災地の栄養士会内
もしくはサテライトに設置をさせていただいています。
搬送用のjda-dat号という緊急支援車両を私共はもっておりまして、
被災地に届けています。
淵澤 今回「液体ミルク」以外で喜ばれた支援物資はありますか?
下浦 乳幼児関係では離乳食やアレルギー食品などが喜ばれました。
高齢者には、おかゆや柔らかいおかず等の要望が多く、
入れ歯をなくした方もいらっしゃいますので「これなら食べられま
す」と喜ばれました。
淵澤 今回、何十ヵ所という被災地に支援物資を届けられて
被災地における「食と栄養の課題」見えてきましたか?
下浦 これまでの経験上、災害の種類ですとか、規模、時期等によって
様々な食と栄養の課題があると感じております。
特に要配慮者といわれる乳幼児や高齢者、
疾患をお持ちの方等に、どのようにすればいち早く
適切な食事を提供することが出来るのか?ということが
一番重要だと考えております。
人は食べなければ生きていけません。避難所等の食環境を改善して
被災者の皆さんがしっかりと食べられるように、
ましてや、赤ちゃんにとって
ミルクというのは、当然母乳が一番大事なんですが
「液体ミルク」というのも、重要なアイテムのひとつだと
考えております。
淵澤 最後に、番組を聞いている方へ。
災害に向けて備えておくべき「栄養のある防災食」
何がお薦めですか?
下浦 特に乳幼児は災害時だからといって我慢して食べてはくれません。
災害時のストレスにも影響してきます。
日頃から食べ慣れているものを備蓄食として準備して
災害時においても普段と同じように食べられる、
美味しく、しっかりと栄養のあるものを食べていただくことが、
安心にもつながり、栄養の観点からも重要だと考えています。