10月6日(日)の放送では日本経済団体連合会名誉会長で、2025年国際博覧会 担当大使の、榊原定征さんをお迎えして「発明に興味を持ったきっかけ」についてお伺いしました。
自見 子供の頃、なりたかった職業、お聞かせください。
榊原 私が子供の頃といいますと昭和30年。戦後でいうと10年。
日本の経済復興がはじまる時でした。
私が育った愛知県の美浜町は伊勢湾に面していまして。
家の前から海を見ていますと、四日市工場地帯や中京工業地帯の煙が
モクモクと出ていました。
それが戦後の経済復興の象徴のような存在でした。
私も日本経済に貢献したい。
エンジニアになって工場で働きたいと思っておりました。
自見 そして高校時代「ある科学雑誌」に出会われたそうですね。
榊原 高校2年生だったかな。
パラパラと見ていたら、囲み記事がありました。
それは日本のいち研究者が「炭素繊維をつくる原理」という
世界的な発明をしたと。
それは「将来、飛行機の材料に使われるかもしれない」
という記事でした。
私も将来、そのような発明をしたなと思いました。
そしてたまたま就職をする時に「東レ」という会社が
炭素繊維の開発にチカラを入れているという情報があって。
それで「東レ」に入りました。
自見 今はこの炭素繊維で飛行機が飛んでいますから、
まさに夢が実現したんですね。