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参議院議員の武見敬三さん。国際政治学者から医療の道へ「きっかけはオヤジの突然の死でした」

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3月3日(日)の放送では参議院議員の、武見敬三さんをお迎えして、
 「グローバルヘルス」をお伺いしました。

自見 改めて「グローバルヘルス」とは何か、簡単に教えてください。

武見    医療問題は、国境を越えて共通の問題になってきています。
   エボラ出血熱。
   あの病気にかかると、半分ぐらいの人は亡くなってしまいます。
   あれはコウモリからうつったんです。
   動物由来の感染症は、人と人との感染になっていないものが
   およそ2千種ぐらいあります。
   したがって、いつなんどき、人と人の感染症になるかわからない。
   動物学とも連携をしながら、しっかり事前に調整して
   ワクチンやら予防薬やらを開発しておくことが必要です。
   今は、あっという間に世界中に広がる時代。
   したがって、こういう問題はひとつの国だけの問題ではないんです。
   昔は「国際保健」と呼んでいました。
   ところがいまは「グローバルヘルス」と呼ぶようになりました。

自見 武見先生が「グローバルヘルス」の
   分野にかかわるようになったきっかけをお聞かせください。
   
武見 偶然なんです。うちのオヤジ(日本医師会会長、世界医師会会長を歴
   任された武見太郎さん)が、亡くなる前にハーバード大学の公衆衛生
   大学院に国際保健の「武見プログラム」を創設したんです。

自見 今でも続いていて、たくさんの方を輩出されていますね。

武見 300人以上、中堅の研究者がここで研究をして
   自国に帰って保健医療分野の指導者になっています。
   保険大臣になった方も大勢います。
   実はこれを作った途端に、オヤジが死んじゃったんですよ。

自見 そのタイミングだったんですか?

武見 だから私が、金集めの手伝いから、
   セミナーを共同で開いたりしました。
   やっているうちに「グローバルヘルス」の分野に
   関心を深めるようになりました。

自見 その時、武見先生は国際政治学者?

武見 そうです。保健医療の専門家でもなんでもなかったんです。
   だけど、接していくうちにこれも国際政治の重要な一面だと
   自分でやりながら解ったんです。

自見 武見先生が考える「グローバルヘルス」のこれからの課題、
   お聞かせください。

武見 自民さんも興味がある課題だと思いますが、
   乳幼児の死亡率、世界的にみると年間540万人の子供が5歳になる
   前に亡くなっています。
   そのうちの半分ぐらいが、出生後28日以内で亡くなっています。
   そのほとんどは「avoidable deaths」と言って回避可能な死。
   生活水準が低く衛生環境や医療の質が悪いなどが重なり起きます。
   このようなことを世界の共通の課題として、
   いかに解決するかということを
   日本は責任のある国として考えていくべきだと思います。

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