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日本小児科学会の高橋孝雄会長「子育てにおいて”後悔する”ということは、子供を大切にしていることの顕れです」

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1月27日(日)の放送では日本小児科学会の、高橋孝雄会長をお迎えして、
子育てについてお伺いしました。

淵澤 私は妊娠中、胎教のためにお腹の赤ちゃんに話しかけたり
   音楽を聞かせたりしていました。
   医学的に効果はあるんですか?

高橋 クラシック音楽が、産まれてきた子供の人生を変えるという
   証拠はまったくありません。
   ただ妊娠中の赤ちゃんにお父さんやお母さんが
   想いをはせることはとても重要です。
   そのひとつの例がクラシック音楽を聞かせる、胎教だと思います。
   関心を持つことは大事です。

自見 高橋先生のご著書、マガジンハウスから去年の9月に発売された
   『小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て』に
   「理想の母を追い求めないで。子供が好きなのは、いまのおかあさん」
    という素敵な言葉が書かれています。改めてご説明してください!

高橋 もちろん虐待が起きている場合は、
   いまのままでいいとは思いませんが、ほとんどのお母さん、
   お父さんはそのままで充分な愛情を持っています。
   子供に関心のない親はいないと思います。
   でも関心がある結果、少し勉強をきつめにさせたり、
   場合によっては手をあげそうになったり、
   いろいろ失敗があると思います。
   それが子供への健全な関心の結果であればいいと思っています。
   その逆、無関心というのが一番危険だと思います。
   子供には関心はないが、子供の学校の成績や、
   子供の学校に関心があるというのは、無関心な証拠だと思います。

自見 先生のご著書の中で「理想が高すぎる、後で後悔したくない症候群。
   子育てに目標到達点はありません」という言葉もありますよね。

高橋 そうですね。目標を設定するのはいいんですけど、
   ほとんどは失敗します。
   目標を達成することを目標にしてはいけない。
   僕は「後悔」という言葉が大好きです。
   後悔するって、とてもせつないけど、いいことなんです。
   お母さんがあの時、ああしておけばよかったと思っている瞬間、
   お母さんは子供のことを大切にしてきたという顕れです。
   いいお母さんの証拠ですね。

自見 番組をお聴きの方の中には、4月から、お子さんが小学校に入学される
   ご家庭もいらっしゃると思います。小学校に入学されるお子さんを
   持つ、ご両親へアドバイス、お聞かせください。

高橋 小学校に入学するということは、
   ある意味、社会に出る瞬間だと思います。
   時間割があり、先輩後輩があり、お掃除というものが存在します。
   色々なルールがあって、まさに社会生活です。
   その第一歩を踏み出す晴れ舞台という気持ちで送り出してほしいです。
   漢字を覚えるために行く場所ではありません。
   その中でも、1年生、2年生の担任の先生はとても大事です。
   人生のスタートを一緒にきるパートナー。
   ですから僕は大学の教授よりも、小学校の低学年の担任になるような
   先生はあらゆる経験を積んだ心の温かい人だと思っています。
   給料は弾むべきです。
   小学校というのは社会の縮図だと思っています。

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