• Facebook
  • Twitter
  • LINE

認定NPO法人Learning for All 代表、李炯植さん。東京大学に出来た恩師の一言

  • LINEで送る

2月5日(日)の放送では、経済的困難を抱えた子供達に、学習支援や居場所の支援を行う
認定NPO法人Learning for All 代表、李炯植さんに子供の頃のお話を伺いました。

自見 李さんは兵庫県の尼崎のご出身。

李  両親は共働きで、妹と弟がいて、
   そして障がいのある祖母。
   私がご飯をちょこちょこ作ったりしていました。
   10歳くらいまで市営住宅、いわゆる団地の4階で暮らしていました。
   祖母は階段の登り降りが大変で、
   私がお尻を押して階段を登っていました。

自見 団地はエレベーターがないですものね。

李  家の近所は貧困家庭が多く、ホームレスの方もたくさんいらっしゃいました。
   放置自動車がむちゃくちゃ捨てられていました。
   でも、近所のたこ焼き屋さんにみんなで集まったり、
   公園で遊んだり、友達の家に遊びに行ったり、居場所はありました。

自見 通っていた小学校はどんな学校だったんですか?

李  クラスの半分ぐらいがひとり親の世帯でした。
   生活困窮の世帯の子も多かったです。
   結局、大学に進学したのは40人中、3人でした。
   その一方で、閑静な一軒家の子も同じ学区に入っていました。

自見 李さんは小学6年生の時の担任の勧めで「私立中学」に進学されたそうですね。

李  6年生の10月ぐらいに「あなたは公立ではなく私立に行った方がいい」と
   言われました。「あなたは東大に行けるIQがあるから勉強しなさい」と。
   そして母親に電話してくれて、そこから家庭教師がつきました。

自見 高校1年生の時、その先生と再会されたそうですね。

李  ちょうど高校1年生の終わりごろに同窓会がありました。  
   妊娠している友達とか、高校を喧嘩して辞めてしまった友達もいました。
   先生は「あなたはもっと勉強が出来る環境に行った方がいい」と、
   3日後にある、厳しめな進学塾の入塾試験に勝手に申し込んだんです。
   一言「申し込んどいたから」と。
   それで堪忍して高校2年生から塾に行くことにしました。

自見 その先生とは今でも交流、あるんですか?

李  あります!

自見 この番組では、子供の頃、影響を受けた1冊の本について伺っています。
   影響を受けた1冊、教えてください。

李  なかなか本に出合うタイミングがなかったのですが、
   東京大学に進学して19歳の時に出会ったモンテーニュの『エセー』です。
   フランスの哲学者の本なんですけど、何が正しいのか、
   問いを重ねていく本です。
   東京大学に入って様々な家庭環境の人を見て
   どうやって生きていくことが正しいのか、
   社会はどうなっていけばいいのか、
   問いを重ねていた時期に、この本に出会いました。
   様々な学問領域を知るきっかけになった一冊です。

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >