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認定NPO法人フローレンス 駒崎弘樹会長。小規模保育のはじまり。民間が実験的に始めたことを国がパクっていくことで、世の中が変わっていく

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12月11日(日)の放送では認定NPO法人フローレンス 会長の、駒崎弘樹さんにフローレンスの取り組みについて伺います。

淵沢  きょうは小規模保育について伺います。

駒崎  フローレンスの女性社員が結婚、出産、そして育休を取って
    会社に戻ってくる時に「代表ごめんなさい、戻れません」と。
    話を聞くと保育園に空きがないから仕事に復帰することができない。

    そこで僕は、じゃあ、僕らが保育園を作ればいいと考えて
    役所に電話しました。そうしたら多くの規制がありました。
    特に重要だったのが子供が20人以上いないと認可しない、まさに20人の壁。
    20人と言うと、結構広い敷地が必要になるんです。
    物件を借りるのも高いし。だから保育園って増えないんだなと感じました。

    その一方で、空き家、空いてるマンションって意外とあります。
    20人ではなく、9人ぐらいだったら出来ると思いました。

    そこで厚労省に電話をして「20人」の理由を聞いたんです。
    厚労省の人は「何故か分からないんですけど、決まっているんです」と。

    これは理由ないなと感じたので、当時の政府の方にプレゼンして
    試しに9人の保育園をやらせてくださいとお願いしたら
    「いいですよ」と返事が返ってきたんです。

    そこで東京都の江東区のデザイナーズマンションの空いてる一室を使って
    9人の保育園を始めました。
    空いているお家を使うので「おうち保育園」。
    9人の定員に20数人の申し込みがありました。
    保育士さんも手厚い保育が出来るということで大勢来てくれて。

自見  保育士さんも喜びますよね。
    子供達と向き合う時間、もっと取りたいと思っているし。
    これはベストマッチですね。

駒崎  政治家の方や官僚の方が、大勢視察に来てくれて。
    当時の、待機児童対策の特命チームの村木厚子さんが
    「なぜ気付かなかったんだろう。大きな保育園は作りにくいけど
    小さい保育園は作りやすい」と。
    そして当時の法案に「小規模保育」を書き足してくれたんです。

    そしてその法案が通って、70数年ぶりに大きく変わることになりました。
    20人の壁が突破されて、19人以下でも
    保育園として認めますよ、ということになりました。
    これが国策化されました。
    2010年に、おうち保育園は1園だけだったんですが
    2021年には、およそ7千か所になりました。
    民間で実験的に始めたことを、パクっていただくことで、
    世の中全体が変わっていきました。

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