5月15日(日)の放送では小児科専門医 自見はなこさんに「日本の子育ての課題」について伺いました。
自見 私が小児科の医療現場で働いていて感じたことは、
この15年ぐらい家庭の力が落ちているということです。
お母さんがひとり親だったり。苦労しながら育てていたり。
世帯の所得が低くなったり。
おじいちゃんおばあちゃんが遠いため、サポートを受けられなかったり。
様々なことを抱え込んでしまうお母さんたちが多いですよね。
その一方で国はどうしているのか?子供にかけている予算は先進諸国の中で、
対GDP比で手厚い国の半分しか使っていない。
そしてコロナで女性や子供にしわ寄せがきてしまっている。
特に女性や子供の自殺が増えました。
またひとり親家庭の貧困は50%です。
結婚して子供が生まれて離婚すると半分が貧困になる。これが今の日本なんです。
これでは安心して子供を育てたいと思っている人も、
なかなか飛び込めないですよね。
また第二子、第三子を産みたいと思っていても厳しい状況です。
与党ではたったひとりの小児科専門医の国会議員として、
こども家庭庁の活動を始めたら、多くの国会議員の先生たちも、
やりたいと思っていて。ありがたいことに菅政権(当時)の元、
こども家庭庁をやりましょうということになりました。
私が印象的だったのは医療的ケア児のお母さんから
「うちの子供を子ども扱いしてください」と言われことです。
行政の制度上、枠組みとして「障碍者」という大人の枠に入れられてしまうので、
学校にも行けない。市役所の窓口も大人窓口。
「子ども扱いしてほしい」という言葉がすごく残っていて。
こども家庭庁の組織図の話の時に、
厚生労働省の障害の担当部門も一緒に来てくださいとお願いして。
結果来てくれるようになりつつあって。よかったなと思いました。
医療、教育、療育福祉を一つに結ぶというのが、こども家庭庁の目的です。
その後には、もう一歩進んで、よりよい教育とつながるという、
次のステップを見据えて頑張っていきたいと思います。