3月27日(日)の放送では日本臨床整形外科学会の、新井貞男理事長に「子どもロコモ」について伺いました。
自見 「子どもロコモ」初めて聞く方も多いと思います。ご説明お願いします。
新井 人間が立つ、歩く、作業するといった、広い意味での運動のために
必要な身体の仕組み全体を運動器といいます。
この運動器は骨、関節、筋肉、神経などで成り立っていますが、
これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための
身体能力、移動機能が低下した状態がロコモです。
ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高くなります。
ロコモは本来、高齢者を対象とした概念ですが、
子供たちにも似たような異常がみられることが、わかってきました。
たとえば片足でしっかり立つ、手をまっすぐあげる、
しゃがみこむ、などの基本動作ができていない。
運動機能の異常をおこしている子供が増えてきています。
このような現象を「子どもロコモ」と呼んでいます。
自見 しゃがみこむことが苦手で、和式のトイレを使用できない
子供も増えていますよね。
なぜ、子どもロコモが増えているんでしょうか?
新井 外遊びが減少したことが原因です。
今の子供は、家でゲームで遊んだり、
公園でもボール遊びができない、
安全に遊べる場所が減っています。
また習い事などで遊ぶ時間も減っているんです。
塾通いで、友達とも遊べないです。
自見 コロナ禍で、さらに屋内での生活が増えました。
新井 子供たちに身体的な変化が出ています。
非常事態宣言があけた後、日本臨床整形外科学会はアンケートを実施しました。
小・中・高校生の850人が回答しました。
多い順に「体力がなくなった」「疲れやすくなった」「気力がなくなった」
「体重が増えた」「身体のどこかが痛くなった」「姿勢が悪くなった」
こういった訴えが30%ぐらいありました。
自見 日本臨床整形外科学会では、コロナ禍の子供たちの身体に対して
どのような注意や呼びかけ、対策をされているんですか?
新井 外に出ようと呼びかけています。
家にいると遊ぶものが限られています。
散歩だけでもいいと思います。
自見 こども家庭庁の勉強会でも、外遊びを重要視していて、
今度出てくる法律の中にも「外でのびのび遊ぶ」というのを入れてあります。
日光を浴びることも大切ですよね。骨が強くなりますよね。