自見:児童虐待。そもそもどのような問題点があるのですか?
塩崎:親は子供を愛しているはず。また子供も親を愛しているはず。
なのになぜ、虐待が起きてしまうのか?
色々な要素はあります。社会の病んでいる部分が親に、
そして子供に集中的に表れてしまっているのではないかな?と、
思われることがひとつ。それとやはり核家族が進んでしまった
昔は、おじいちゃん、おばあちゃんに相談していた。
親に怒られてもおじいちゃんおじいちゃんが子供を守っていた。
淵澤:よく(子供の頃)おじいちゃん、
おばあちゃんのところに逃げていました。
塩崎:でも今は、お母さんと子供など、1対1なんです。
実は児童虐待で命を奪われる子供、
0歳児が4割ぐらいなんです。
自見:そんなに・・・
塩崎:それも初日と言うのが、けっこうある。
昔は、妊娠したらおばあちゃんに
色々な悩みを相談して徐々にお母さんになっていった。
でも今は、たったひとりでお母さん(になる)。
妊娠して不安になっても、誰にも相談できない。
そして子供が生まれ、孤独の中で、虐待をしてしまう
自見:はい。
塩崎:だから妊娠したと、
わかった時点からのサポートがとても大事になります。
昔のように家族的にやろうとしてもダメ。
社会全体でやらないと。
そのための施設として日本版ネウボラ「子育て支援センター」が
全国に1千か所ぐらいありますが、
もっと、もっと作っていかなければいけない
自見:そうですね。
塩崎:また、働くお母さんが働きづらい。子育てしづらい。
そんな環境も、児童虐待の原因になると思います。
そこには、男性の子育て参加の欠如の問題もあります
自見 淵澤:はい!
塩崎:社会で子供たちを育てる。
それをどうやって制度化していくのか、
これから、しっかりやらないといけないと思います
『社会全体で子育てをしていく』。このことについて塩崎さんは「家庭と里親制度。そしてなんといっても中核は児童相談所。ベテランの人をしっかり育成し、より専門性を高めたい」と語りました。