<日本でも『里親制度』定着を!>
自見)「塩崎さんは去年の8月まで、およそ3年間
厚生労働大臣として様々な改革を行っていらっしゃいました。
きょうは『里親』についてお話をお伺いしていきます。
去年の8月には「里親の委託率75%にしようね」という
新しい社会的養育ビジョンも打ち出して頂きました。
どのようなことがきっかけで、このような取り組みを
はじめられたのですか?」
塩崎)「日本は戦後、
施設で子供を収容するという長い歴史がありました。
しかし世界では、養子に出すか、
あるいは里親で面倒をみるかでした。
『愛着形成』。
これは小児科医の自見先生の方がお詳しいと思いますが、
ふつうは、親と肌と肌を触れ合い、一緒にお風呂に入るなど
四六時中一緒にいることで『愛着形成』をして、
子供の心は育っていくわけです。
産みの親とうまくいかないという時に、
我々は『家庭養育優先原則』というのを、
児童福祉法に書き込んだんですね。
産みの親がだめだったら、家庭と同様の環境で
特定の大人との『愛着形成』関係を
ずーと持っていくために里親か、特別養子縁組か、
普通養子縁組か。この2番目の選択肢が里親になるわけですね。
世界の国々では、8割とか9割が
里親などの所に行っているんですけど、
残念なことに日本は現在18%。2割弱しか行っていなくて。
これは日本が特別に低いんですよ。
これをなんとかしようということで社会的養育ビジョンを
去年の8月に発表いたしました。
里親に出せばいいというものではない。
虐待で複雑な心になっている子供をどう、まっすぐにするのか、
社会みんなでサポートしていかなければならない。
これは児童養護施設のみなさんが一番詳しい問題です。
そのような人たちが、支援機能を果たしていただくように
なればいいなあと。
そしてこれは国が全面バックアップしていくということで、
新しい子供たちの育て方というものを
作っていかなければいけないと、いま考えています」
自見)「実際に、里親をやってみたいな!と思っている方、
増えているんですか?」
塩崎)「日本財団が行った調査では「ふつうにやってみたいが6%」。
考えてみたら、我々も里親っていう制度を知らないですよね。
だから、里親のポスターを作らないと、いけない。
是非手伝ってください」
自見)「是非、一緒にやっていきたいです」