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比較認知発達科学の明和政子教授。人間の脳が完成するのは何年?子育てしながら親も成長する「共同養育」とは?

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7月25日(日)の放送では比較認知発達科学がご専門
京都大学 大学院教授、明和政子さんに体と脳の発達する速さについて伺いました。

淵沢  脳はどれぐらいで、大人になるものなんですか?

明和  多くの方は、思春期頃に大人になると思われていますが、
    それは間違えです。
    人の脳が完成するのは25歳ぐらいです。

淵沢  意外と遅いですね。

明和  脳が完成してしまうということは
    環境の影響を受けにくくなるということなんですね。
    言い換えると25年かけて
    どんな環境の中でも生きていけるような
    緩やかな成長をなしていく、人間は
    そういった生物であるということです。
 
淵沢  ただ生殖機能でいったら10代で妊娠できます。
    脳とアンバランスになりますよね。
    
明和  いま、生活が豊かになって14,15歳で生殖機能は整います。
    つまり子供をもうける体はできている。
    10年のギャップがあるわけですよね。
    つまり親にはなれるけれども、脳はなりきれていない。
    ここに、母親だけが子育てして進化してきた
    生物ではない「人」の秘密が隠されています。
   
自見  若い段階で、生物学的な母親にはなるんだけれども、
    いわゆるお母さんになるには、色々な人の手を借りながら
    お母さんも成長しながら子育てをしてきた人類の歴史という
    ことですか?

明和  これを私たちは「共同養育」と呼んでいます。
    つまり子供だけではなく親も脳が完成するまで
    25年以上かかるわけですから
    親も育てる対象であるということです。

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