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比較認知発達科学の明和政子教授。人間とチンパンジーの子育ての違い。人間は手を取りお節介なぐらいモノを教える。

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7月11日(日)の放送では比較認知発達科学がご専門
京都大学 大学院教授、明和政子さんに「チンパンジーの子育て」について伺いました。

自見  子供の頃は、どのようなお子さんでしたか?

明和  幼少期はお友達と話すよりも、自分の世界に入って本を読んで
    空想の世界に浸るのがすごく好きな子でした。
    言い換えると言葉で自分の内面をさらけ出すのがあまり得意ではなかったです。
    想いを言葉で伝えることは難しいと思って生きてきました。

自見  言語化って難しいですよね。
    明和先生は、チンパンジーの研究をされています。

明和  私のチンパンジーの研究は、京都大学霊長類研究所で
    スタートしました。そこは愛知県犬山市にある研究施設で、
    動物はもともと好きだったんですけど「人」に
    一番近い存在の動物っていったいどんな動物なんだろう?と
    思って訪問しました。
    その時にチンパンジーと目が合ったんです。
    それで「ビッ」と来ちゃったんですね。

2人 (笑)

明和  目と目で通じ合うことができるんだ。人と人は目で
    コミュニケーションをとることが難しいのに、
    あるいは言葉ですら難しいのに。
    どうしてチンパンジーだと同じ空間にすーと入れるん
    だろう?と感動したんです。

淵沢  それはたまたま明和先生だったからということは
    ありませんか?

明和  いえ、チンパンジー研究者は上手にコミュニケーションをとり
    ながら、生活していきます。

自見  それこそチンパンジーには英語とか日本語とか、
    いわゆる人類が話す言語はない。
    しかし感じているものとか表出しようとしているものは、
    内面的にはかなり似通っていると考えていいんですか?

明和  同じような脳のリズムっていうんですかね。チンパンジーと
    人が見つめあっている時に同じようなリズムがおこってくる、
    そこに心地よさみたいなものが感じられると思います。

自見  チンパンジーの子育てってどういうものなんですか?

明和  みなさんご存じないかもしれませんが、
    人の子育てとチンパンジーの子育て、まったく違うんです。
    チンパンジーが子供に教えるってことはまったくありません。
    人だけが子供の手をとって、お節介なぐらい教えるんです。

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